2019年09月17日、世界の注目を集める米シェアオフィス大手「ウィーワーク」を運営するウィーカンパニーが、予定していた米株式市場への上場を延期する見通しであることが明らかになりました。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたところによれば、上場時期は少なくとも2019年10月以降にずれ込む可能性が高いようです。これまで飛ぶ鳥を落とす勢いだった同社に、一体何が起きているのでしょうか。
大きな要因の一つとして挙げられているのが、投資家が企業に対して下す評価である「時価総額」の急落です。2019年01月の資金調達時点では、同社の企業価値は約470億ドル(約5兆円)という破格の数字を叩き出していました。しかし、最新の市場ヒアリングでは150億ドル程度まで目減りすると予測されており、わずか数ヶ月で価値が3分の1以下に沈み込むという異例の事態に陥っているのです。
こうした状況を受け、SNS上でも「これほどの下方修正は前代未聞だ」「ユニコーン企業のバブルが弾け始めたのではないか」といった驚きと不安の声が広がっています。ユニコーン企業とは、評価額が10億ドルを超える設立10年以内の未上場スタートアップを指しますが、ウィーワークはその象徴的存在だっただけに、市場に与えたインパクトは計り知れません。
強すぎるリーダーシップと「コーポレート・ガバナンス」への懸念
上場延期の背景には、単なる数字の問題だけでなく、企業の管理体制を示す「コーポレート・ガバナンス(企業統治)」への不信感も根強く存在しています。特に創業者のアダム・ニューマンCEOに権限が集中しすぎる議決権構造や、不透明な私的取引が問題視されました。企業が株主に対して健全な経営を約束する仕組みが整っていないと、投資家は二の足を踏んでしまうのでしょう。
また、同社のビジネスモデルが将来にわたって利益を生み出し続けられるのかという点についても、厳しい視線が注がれています。筆者個人としては、シェアオフィスという革新的な文化を築いた功績は大きいものの、巨額の赤字を垂れ流しながら拡大を優先する手法は、もはや上場市場の論理では通用しなくなっているのだと感じます。今は一度立ち止まり、経営の透明性を高めることが最優先でしょう。
大株主であるソフトバンクグループは、今回の件に関して「コメントを控える」としていますが、一部では上場延期を促したとの報道も出ています。2019年09月13日にナスダックへの上場目論見書を提出したばかりの同社ですが、信頼回復に向けた道のりは険しそうです。熱狂の裏側に潜んでいた課題が浮き彫りになった今、ウィーワークがどのような再生プランを描くのか、世界がその一挙手一投足を注視しています。
コメント