オムロンがスマホ向けバックライト事業から撤退!液晶から有機ELへ、時代の変遷と中国市場の光と影

大手電子機器メーカーのオムロンが、私たちの生活に欠かせないスマートフォンや携帯電話の画面を支えてきた「バックライト事業」から完全に身を引くことを明らかにしました。2019年09月17日、同社はモバイル機器向けバックライトの生産を終了し、事業そのものを畳むという大きな決断を下したのです。かつては主力の一つであったこの事業も、時代の荒波には抗えなかったようです。

今回の決定の裏側には、スマートフォンの主要市場である中国での需要低迷が深刻化しているという背景があります。バックライトとは、液晶ディスプレイの背後から光を当てることで画面を明るく見せる装置のことですが、昨今のスマホ市場では自ら発光する「有機EL(OLED)」へのシフトが急速に進んでいます。この技術革新が、従来のバックライトを必要とする液晶パネルの需要を押し下げてしまいました。

実際に数字を追ってみると、その苦境が浮き彫りになります。2019年03月期の決算において、バックライト事業を含む部門の売上高は417億円と前期比で6%も減少しており、5億円の営業赤字を計上しました。SNS上でも「液晶の時代が終わっていくのを感じる」「オムロンの技術力でも太刀打ちできないほど変化が速いのか」といった、技術の栄枯盛衰を惜しむ声が数多く寄せられています。

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製造拠点の閉鎖と今後のロードマップ

経営資源の選択と集中を進めるため、オムロンは2019年09月10日付で中国・広東省の東莞(とうかん)にある製造拠点を閉鎖しました。これまで生産効率の向上やコスト削減に注力してきた同社ですが、中国経済の減速や市場の成熟化という壁は高く、事業を継続することは困難であるという最終的な判断に至ったのです。潔い撤退と言えますが、製造現場への影響は決して小さくありません。

今後のスケジュールとしては、2019年度末までをめどに、既存の顧客に対するアフターケアやサポート業務を順次完了させていく予定となっています。これによって、長年親しまれてきたオムロン製のバックライトは市場から姿を消すことになります。私個人としては、今回の決退は単なる事業縮小ではなく、次世代の成長分野へリソースを振り向けるための「攻めの守り」であると評価しています。

激動するモバイル業界において、既存の成功体験に固執せず、厳しい現実を直視して早期の撤退を決めたスピード感は、グローバル企業としての健全な姿勢ではないでしょうか。バックライトという一つの「光」は消えますが、この決断がオムロンの次なる革新を生む種になることを期待せずにはいられません。市場が飽和し、技術がコモディティ化する恐ろしさを改めて痛感させられるニュースでした。

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