いよいよ2019年09月20日に開幕の火蓋が切って落とされるラグビーワールドカップ(W杯)日本大会ですが、スタジアムの熱狂を裏側で支える「ある飲み物」の確保に大きな注目が集まっています。それは、海外ファンにとって観戦に欠かせない「ビール」です。屈強なラガーマンたちがぶつかり合う聖地で、ファンの喉を潤す準備は着々と進んでいます。
今大会で懸念されているのは、海外から訪れるファンの凄まじい購買意欲でしょう。ラグビー界において、試合観戦とアルコールは切っても切れない文化的な繋がりがあります。特に英国やアイルランドなどのファンにとって、スタジアムは単なる競技場ではなく、仲間と語らい、勝利の美酒に酔いしれる広大な「社交場」としての側面を強く持っているからです。
サッカーの6倍!?驚異の消費量をカバーする秘策
驚くべきことに、大会組織委員会の調査によれば、ラグビーファンのビール消費量はサッカーの試合と比較して約6倍にものぼると言われています。前回大会ではスタジアム内だけで130万リットルが飲み干されました。今大会でも、一試合で10万杯を超える注文が飛び出すと予測されており、既存の売店だけでは対応しきれない事態が危惧されています。
日本のスタジアムは、海外の施設に比べて売店などのインフラ設備が十分とは言えない側面があります。そこで救世主として白羽の矢が立ったのが、総勢1600人規模で結成された「ビールの売り子」部隊です。プロ野球ではおなじみの光景ですが、ラグビーの国際大会でこれほど大規模に導入されるのは極めて異例な試みと言えるでしょう。
2019年08月03日に東大阪市の花園ラグビー場で行われた日本対トンガ戦では、この売り子部隊のテスト運用が実施されました。公式スポンサーであるハイネケンの缶ビールを丁寧にカップへ注いで提供するスタイルは、キックオフ前から観客に大好評だったようです。SNS上でも「席を立たずに冷えたビールが飲めるのは最高」と、ポジティブな反響が広がっています。
個人的な見解を述べさせていただきますと、この日本独自の「売り子文化」は、おもてなしの精神を体現する素晴らしい解決策だと感じます。ハーフタイムに長蛇の列に並ぶストレスを解消し、試合の決定的な瞬間を見逃すリスクも減らしてくれます。混雑緩和という実用的なメリット以上に、スタジアムの一体感を高めるスパイスとして機能するに違いありません。
組織委は対戦カードごとの需要を緻密に予測し、1試合あたり最大で400人の精鋭を投入する計画を立てています。岩手県釜石市を除く11会場で、キックオフの約2時間前から笑顔の売り子たちがスタンドを駆け巡ります。スタジアムに響く歓声と、心地よい喉越し。2019年09月20日からの1カ月半、日本は世界で最も「美味しくビールが飲める場所」になるはずです。