FRBの「予防的利下げ」が投資家を動かす?2019年9月FOMC通過で株式市場に広がる強気ムードの正体

2019年09月18日の米国株式市場は、投資家が固唾を呑んで見守った米連邦公開市場委員会(FOMC)という大きなイベントを、波乱なく乗り越えました。ニューヨークダウ工業株30種平均は、前日の終値から36ドル上昇し、2万7147ドルでその日の取引を終えています。市場の注目を一身に集めたのは、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長による記者会見でしたが、今回は「安全運転」に徹した内容となりました。

FRBとは、日本における日本銀行のような存在で、米国の金融政策を決定する中央銀行制度のことです。パウエル議長の発言一つで世界中の株価が乱高下するため、市場関係者は常にその言葉尻に神経を尖らせています。今回の会見では、投資家を失望させるような「失言」が見当たらなかったことが、結果として株価の下支えに繋がりました。ここからは、9月の株高局面に出遅れていた投資家たちの動きが見て取れます。

日本時間の2019年09月19日午前3時30分から始まった会見のハイライトは、質疑応答の冒頭でした。記者は、前回の2019年07月の会見で物議を醸した「サイクル半ばの政策調整」という表現を、今回も維持するのかと厳しく問いかけました。このフレーズは、本格的な景気後退局面での利下げではなく、あくまで一時的な調整に過ぎないという意味を含んでおり、市場には「これ以上の追加利下げは期待できない」という弱気な信号として伝わります。

実際、2019年07月の会見でこの言葉が飛び出した際、ダウ平均は一時400ドルも急落する事態に見舞われました。しかし、今回のパウエル議長はこの表現を巧みに回避し、市場との対話を円滑に進めることに成功しています。ある専門家が「今回は慎重に言葉を選んでいた」と語るように、不必要な混乱を招かない姿勢が好感されました。投資家の期待を過度に煽らず、かつ冷やしもしない絶妙な舵取りだったと言えるでしょう。

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過去の成功例に学ぶ「予防的利下げ」の意図とは

パウエル議長は、現在の状況を1995年や1998年の政策対応に重ね合わせています。当時、FRBは不況に陥ってから慌てて手を打つのではなく、景気の勢いが衰え始めた段階で「予防的な利下げ」を実施し、景気の腰折れを防ぎました。今回も、米中貿易摩擦という不透明なリスクが経済を減速させる前に、先手を打って柔軟に対応する姿勢を示したのです。この柔軟な構えこそが、株式市場に安心感を与える決定打となりました。

一方で、市場には特有の懸念も存在していました。それは、FRBが利下げを行うことでトランプ政権が中国に対してより強硬な態度を取り、その結果として景気が悪化、さらにFRBが追加利下げを強いられるという悪循環です。しかし、公表された政策金利の見通しでは、年内の据え置きが中心となっており、決して政治的な圧力に屈して利下げを連発するような気配は見られませんでした。独立性を保つFRBの姿勢は、市場の信頼を勝ち取っています。

SNS上では「パウエル議長、今回は上手くやった」「買い場を逃したと思っていたが、ここからが本番かもしれない」といった前向きな反応が目立ち始めています。これまでリスクを避けて現金を手元に置いていた投資家たちが、FOMCを無事通過したことで、再び株式市場へ資金を戻し始めているのです。これは、慎重になりすぎていた「乗り遅れ組」が、ようやく重い腰を上げた瞬間だと言っても過言ではありません。

私自身の見解としては、今回の中央銀行の判断は極めて合理的だと感じます。経済の先行きを完全に予測することは不可能ですが、崖っぷちに立たされる前にブレーキを踏むのではなく、緩やかにスピードを調整する「予防」の観点は、長期的な市場の安定に不可欠です。投資家の心理が「恐怖」から「期待」へと緩やかにシフトしていく中で、この秋の相場はさらに活気づく可能性を秘めているのではないでしょうか。

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