曙ブレーキが事業再生ADR成立で再スタート!560億円の債権放棄と大規模な構造改革の全貌

日本の自動車産業を支えてきた老舗、曙ブレーキ工業が大きな転換点を迎えました。2019年09月18日、同社は東京都内で債権者会議を開催し、銀行団から再建計画案への同意を取り付けたと発表しています。これにより、2019年01月末から進められていた「事業再生ADR」が正式に成立する運びとなりました。この仕組みは、裁判所を通さずに法的整理を避けつつ、債権者と話し合って経営を立て直す私的整理の手続きを指します。

今回の合意において最も注目すべき点は、メインバンクを含む37の金融機関が、有利子負債の約半分に相当する560億円もの債権放棄に応じたことでしょう。これほど巨額の借金を免除してもらえる背景には、同社の高い技術力への期待があると考えられます。SNS上では「これだけの規模の債権放棄は異例だ」「ブレーキの曙には何としても残ってほしい」といった、驚きとともに同社の存続を応援する声が数多く寄せられています。

再建に向けた資金面では、事業再生ファンドのジャパン・インダストリアル・ソリューションズ(JIS)から200億円の出資を受けることが決定しました。この資金のうち150億円は、痛みを伴う組織の作り直しに充てられ、残りの50億円が将来の成長に向けた開発投資に活用される予定です。経営陣の刷新も予定されており、2019年09月27日の臨時株主総会を経て、新しい体制でのかじ取りが2019年09月30日から本格的に始まります。

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世界規模での拠点集約と3000人規模の人員削減という苦渋の決断

再建への道のりは決して平坦なものではなく、グローバルな拠点の再編という厳しいメスが入れられます。現在世界に18カ所ある工場のうち、日米欧の計6工場が閉鎖や売却の対象となりました。日本では2022年03月期までに曙ブレーキ山陽製造の閉鎖が決定しています。また、米国では現在稼働している4工場のうち、2021年03月期までに2拠点をたたみ、さらに数年内にもう1工場を閉鎖するという、ドラスチックな縮小が進められます。

欧州市場においても、フランスとスロバキアにある2つの工場を売却または閉鎖する方針が示されました。さらにドイツと英国の研究開発拠点も閉鎖し、欧州での製造と開発からは事実上の撤退となります。これらの大規模な合理化に伴い、全従業員1万人の約3割にあたる3000人規模の人員削減が行われる見通しです。かつての名門企業が、ここまで追い込まれた現実には胸が痛みますが、生き残るためには避けられない決断だったと推察されます。

筆者の個人的な見解としては、電気自動車(EV)へのシフトが進む中で、ブレーキシステムの重要性はむしろ増していくと考えています。摩擦ブレーキだけでなく、回生ブレーキとの統合制御など、同社が培ってきた技術が輝く場面は必ず来るはずです。今回の債権放棄という大きな支援を糧に、無駄を削ぎ落とした「新生・曙ブレーキ」が、再び世界に誇れる技術集団として返り咲くことを、多くのファンとともに願ってやみません。

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