介護業界に今、かつてない技術革新の波が押し寄せています。2019年09月19日、ソラストやSOMPOホールディングスといった業界大手が、カメラと人工知能(AI)を融合させた新システムの導入を次々と発表しました。これまで「人の目」に頼り切りだった現場の状況をデータとして可視化することで、サービスの質を底上げしようとする意欲的な試みが注目を集めています。
SNS上では「見守りカメラが職員の負担を減らす救世主になるのでは」と期待する声が上がる一方で、「プライバシーへの配慮をどう両立させるか」という点に高い関心が集まっているようです。人手不足が深刻化する中で、AIによる「デジタルな眼」がどこまで現場を救えるのか、多くの関係者がその動向を固唾をのんで見守っています。
AI解析が解き明かす「利用者の本音」と業務の最適化
介護大手ソラストは、2019年9月からソフトウェア開発のオプティムと提携し、デイサービス施設での実証実験を開始します。ここで活用される「AI解析」とは、カメラが捉えた映像から人の動きを数値化し、コンピュータがパターンを読み解く技術のことです。12月までの期間、職員や利用者の動線、滞在時間を分析することで、言葉にはならない「潜在的なニーズ」を浮き彫りにします。
例えば、レクリエーション中の盛り上がりや、施設内の特定の場所での混雑状況をデータ化することで、より過ごしやすい環境作りが可能になるでしょう。2020年からはこの知見を全施設に展開する計画で、将来的には転倒の事前検知まで見据えています。データに基づく冷静な分析は、これまでの経験則だけに頼らない、新しい介護の形を提示してくれるに違いありません。
事故を未然に防ぐ!24時間の「安心」を支える見守り技術
HITOWAケアサービスでも、有料老人ホームでの試験導入が始まっています。こちらのシステムが優れている点は、プライバシーに配慮して映像を匿名化しつつ、ベッド上の細かな予備動作をキャッチできる点にあります。高齢者が起き上がろうとする際の「ふらつき」を検知して職員に通知することで、転倒事故を未然に防ぐことが期待されているのです。
こうした技術は「リスクマネジメント」として極めて重要です。また、日々の活動範囲をデータ化することで、リハビリの進捗を客観的に把握できるメリットもあります。私自身の考えとしては、こうした技術は職員の「心理的なプレッシャー」を軽減する上でも大きな意味を持つと感じます。24時間気を張り続ける現場において、テクノロジーは最強のパートナーとなるはずです。
次世代通信「5G」が切り拓く、食事介助の新しいスタイル
さらに、SOMPOホールディングスはNTTドコモと協力し、今秋から次世代通信規格「5G」を活用した実験に乗り出します。5Gとは、超高速・低遅延で大量のデータを送れる通信技術のことです。これを活用し、非常に神経を使う「食事の様子」を遠隔で見守ります。食べた量やアレルギー食材の有無をAIが瞬時に判断できれば、職員の確認作業は劇的に効率化されるでしょう。
2019年7月時点での介護職の有効求人倍率は4.33倍と、全職種の平均を大きく上回る異常事態が続いています。人手不足を解消するためには、賃金の改善だけでなく「働きたいと思える環境」を作ることが不可欠です。カメラの活用は一見冷たく感じるかもしれませんが、それによって生まれる心の余裕こそが、利用者への温かいコミュニケーションを育む鍵になるのではないでしょうか。
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