日本のものづくりを支える名門、日立金属が新たなステージへ向けて大きな舵を切りました。2019年09月19日、同社は来る2019年10月01日付の重要な人事異動と、研究開発体制を根幹から変える機構改革を発表したのです。今回の変革は、単なる役職の入れ替えにとどまりません。現場の知恵と研究の最前線を融合させ、よりスピーディーに革新的な製品を生み出そうとする、企業の強い意志が感じられる内容となっています。
まず注目すべきは、中枢部門の人事です。秘書部長から人事へ異動する柴宮久雄氏の後任として、新たに岸田充弘氏が秘書部長に就任します。企業の心臓部とも言える人事総務の体制を整えることで、変化の激しい市場環境に対応できる組織基盤の強化を図っているのでしょう。SNS上では「老舗企業がこれほど大胆に研究拠点を統合するのは驚きだ」「現場に近いところで研究が進むのは期待できる」といった、変化を前向きに捉える声が上がっています。
金属材料と機能部材の研究所を再編!効率化の先にある未来
今回の目玉は、研究部門の劇的な統合にあります。金属材料事業本部では、従来の「素材研究所」を「冶金(やきん)研究所」へと一本化することを決めました。ここで言う「冶金」とは、鉱石から金属を取り出し、熱処理や合金化によって特定の性質を持たせる技術のことです。この統合により、特殊鋼や素形材の研究部が新たに設置され、上野友典氏や斉藤直人氏を中心として、より高度な材料開発が進められる体制が整うことになるでしょう。
さらに機能部材事業本部では、磁性材料や電線材料といった複数の研究所を一つにまとめ、新たに「機能部材研究所」を創設します。長友浩之氏が初代所長を務めるこの新組織は、パワーエレクトロニクス、つまり電気エネルギーを効率よく変換・制御する技術にも注力する構えです。バラバラだった専門知を一つの傘の下に集約することで、製品開発のスピードが格段に上がることが予想されます。これは、同社が次世代のモビリティやエネルギー産業で主導権を握るための布石に他なりません。
編集者の視点から見ると、この改革は日立金属が抱える「縦割り組織」の壁を取り払い、横断的なシナジーを生み出そうとする挑戦的な一手だと感じます。特に磁性材料や電線は、現在の電気自動車(EV)シフトにおいて欠かせないコンポーネントです。各分野のエキスパートが密に連携することで、競合他社を圧倒する独自素材が生まれる可能性は非常に高いでしょう。2019年10月01日からの新体制が、日本の産業界にどのような刺激を与えるのか、今から目が離せません。
コメント