2019年(平成31年)6月15日、京都府警を揺るがす重大な不祥事が明らかになりました。京都市内の70代の男性から、およそ1200万円という巨額の現金をだまし取ったとして、京都府警山科署に所属する30代の男性巡査長が、詐欺の疑いで逮捕される方針が固まったのです。地域住民の安全を守るべき現職の警察官による裏切り行為は、社会に大きな衝撃と動揺を与えているでしょう。
この事件は、特殊詐欺を防ぐための金融機関の懸命な対応が、かえって現職警察官による不正のきっかけになってしまったという、なんとも皮肉な経緯をたどっています。事件は前年の2018年(平成30年)11月に発生しました。発端は、被害者である70代の男性が、寄付を目的として高額な現金を銀行などの金融機関から引き出そうとしたことにあります。あまりにも高額だったため、不審に思った金融機関側は、男性が「特殊詐欺」の被害に遭っているのではないかと疑い、すぐに警察に通報しました。特殊詐欺とは、振り込め詐欺やオレオレ詐欺など、対面せずに金銭をだまし取る犯罪の総称で、当時の日本社会で大きな問題となっていた社会悪です。
通報を受けて、当時伏見署管内の交番に勤務していたこの巡査長が現場に急行し、被害男性に対して職務上の対応を行ったのです。本来であれば、ここで男性の金銭が守られ、事件は未然に防がれるはずでした。しかし、その後の巡査長の行動は、警察官としての職責を著しく逸脱したものでした。
巡査長は、職務として知り得た男性の個人情報や状況を悪用し、後日、男性に接触したとされています。そして、「こちらでお金を保管するので、用意してください」などと、現職警察官という立場を利用して信用させ、男性から現金およそ1200万円をだまし取った疑いが持たれているのです。この巡査長の行為は、市民の信頼を根底から裏切るものであり、公務員としての倫理観の欠如は許されるものではありません。事件が発覚したのは、男性が京都府警に相談したことがきっかけで、被害者の行動がなければ、この不正は表面化しなかった可能性もあるでしょう。
今回の現職警察官による詐欺事件は、**「公僕」**としての信頼性を失墜させる極めて深刻な事態です。SNS上でも、「警察官が詐欺なんて信じられない」「特殊詐欺の対応で知り合った人を騙すなんて悪質すぎる」「これでは誰を信じればいいのか」といった、憤りや絶望感を示す声が多数あがっており、社会の衝撃の大きさが窺えます。私たちは、警察官に対して特別な信頼を寄せていますが、その信頼を自ら踏みにじる行為は、他の多くの真面目に職務を遂行する警察官の名誉をも傷つけるものです。
人々の安全と財産を守るべき立場にある警察官が、その職務を利用して市民を欺いたという事実は、警察組織全体の信頼回復には相当な努力が必要であることを示しています。京都府警には、事実関係を徹底的に調査し、再発防止に向けて厳正な措置を講じることが強く求められます。公的な立場にある者が、私利私欲のために市民の財産を奪うことは、決して許されることではないでしょう。
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