🤖AIが食品ロス削減の救世主に! 異物検査の精度が劇的向上、製造現場の効率を根底から変えるシステムスクエアの新戦略

食品製造における食品ロス(本来食べられるのに廃棄されてしまう食品)の問題は、日本国内で年間646万トン(2015年度推計、農林水産省・環境省による)にも上り、社会的な課題としてその解決が強く求められています。この大きな課題に対し、異物検査機の製造を手掛けるシステムスクエア(新潟県長岡市)は、人工知能(AI)を搭載した最新鋭の異物検査装置を開発し、その販売を本格的に強化する方針です。

特に注力しているのは、食品メーカー向けの主力装置における性能の大幅な向上です。今回開発された新装置は、従来の検査で見逃されやすかった魚の小骨の自動検出率を95%にまで飛躍的に高めることに成功しました。従来の自動検出ソフトの平均検出率が約70%だったことを考えると、これは驚異的な改善と言えるでしょう。この高精度な検査を可能にしたのは、AIが大量のデータから特徴を自ら学習する深層学習(ディープラーニング)技術です。これにより、検査時間は従来に比べてなんと5分の1となる大幅な短縮を実現しています。

従来の「骨なし魚」製造工程では、魚の身に紛れた小骨を見つけるため、検査員が拡大画像を見ながら1尾あたり平均で約20秒もかけて確認していました。しかし、AIを搭載した新装置では、見逃しやすい小骨をAIが瞬時に識別し、小骨が残っていればモニターに分かりやすいように印をつけて表示します。この機能により、検査員が確認して骨を取り除くまでの時間は、平均で約4秒にまで短縮される見込みです。このように検査時間を短縮し、製造効率を向上させることで、食品の加工段階における食品ロスの低減に大きく貢献すると期待されます。

さらに、このAI技術は、他の動物に比べて密度が低く、形状も複雑な鶏の骨の異物検査過程においても大きな効果を発揮します。従来のX線撮影では、色の濃淡にムラが大きく出てしまい、検出が困難なケースが多かったのですが、AI搭載により見極めの難しい骨を高精度で自動識別できるようになります。骨の密集している部分は、従来、骨を抜かずにそのまま切り取って出荷しないという対応がとられる事例もありました。しかし、新装置の導入によって、こうした加工段階での食品ロスの大幅な削減が見込まれるのです。

システムスクエアの山田清貴社長は、「食品分野以外にも応用範囲は広い」と語っており、医薬品や化粧品、そして工業製品の装置開発にも対応を進め、多岐にわたる分野で販路を拡大していく姿勢を示しています。X線異物検査装置の価格帯は500万円から2000万円程度ですが、AI搭載装置はこれに150万円から300万円ほど上乗せされます。しかし、作業時間を大幅に短縮し、効率化をもたらすため、その需要は堅調に推移すると同社では確信しています。

この革新的な装置は、2019年7月9日から12日にかけて東京・有明で開催される、アジア最大級の国際食品工業展「フーマジャパン2019」に出展され、大々的に販売が強化される予定です。また、同社は約15億円を投じ、北陸自動車道長岡ジャンクション近くに新本社工場を稼働させました。この新工場は延べ床面積約6500平方メートルを誇り、これまで市内の4カ所に分散していた開発・生産拠点を集約し、生産効率の大幅な向上を目指しています。新工場稼働に伴い、主力である独自のセンサー技術を用いたX線異物検査機や金属検出機などの生産能力は、出荷量ベースで約2倍に向上する見通しです。同社は、2019年3月期に35億円だった売上高を、3年後には40億円に引き上げることを計画しています。

このAIを活用した異物検査の進化は、食品安全の確保だけでなく、食品ロスという社会的な問題解決にも直結するものであり、非常に意義深い取り組みであると考えられます。製造現場のDX化、つまりデジタルトランスフォーメーションを強力に推進する技術として、その普及に期待が高まるでしょう。

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