飲料・食品大手のカゴメ株式会社は2019年09月20日、次期社長に山口聡取締役常務執行役員が昇格する人事を正式に発表しました。就任予定日は2020年01月01日となっており、現職の寺田直行社長は代表権を持たない会長職に就く見通しです。今回の人事で最も注目すべき点は、同社の長い歴史の中で初めて「技術畑」出身のリーダーが誕生するという事実に他なりません。
山口氏は1983年03月に東北大学農学部を卒業後、カゴメに入社し、長年にわたり研究開発の最前線で手腕を振るってきました。2015年には同社の心臓部ともいえる「イノベーション本部」の本部長を務めており、いわば「商品の付加価値を生み出すプロフェッショナル」です。SNS上では「理系社長の誕生で、より科学的根拠に基づいた健康食品が登場するのでは」と、新体制への期待の声が広がっています。
カゴメは現在、健康志向の追い風を受けて業績が非常に好調です。2018年12月期の連結純利益は3期連続で過去最高を更新しており、経営基盤は極めて強固といえるでしょう。しかし山口氏は現状に甘んじることなく、社長就任後も「野菜事業本部」の本部長を兼務する方針を固めています。これは現場の指揮を自ら執り、改革のスピードを緩めないという強い意志の表れではないでしょうか。
新社長が掲げる最大のミッションは、これまでの「トマトのカゴメ」というイメージを脱却し、総合的な「野菜の会社」へと進化を遂げることです。加工食品に高い栄養価や機能性を加える「高付加価値化」を推進し、消費者の健康寿命の延伸に貢献することを目指しています。技術者ならではの視点で、野菜の未知なる可能性をいかにビジネスとして昇華させるのか、その手腕に業界全体から熱い視線が注がれています。
これまで寺田社長が進めてきた「働き方改革」などの社内風土の改善を継承しつつ、山口氏は技術的なイノベーションという新たな風を吹き込むことでしょう。単なる飲料メーカーの枠を超え、テクノロジーで健康をデザインする企業への変貌は、私たち消費者の食生活をより豊かにしてくれるに違いありません。静岡県出身の情熱的な新リーダーが、2020年という節目にどのようなスタートを切るのか、今から非常に楽しみです。
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