🚀 「適度な貧乏」が奇跡を呼ぶ! 「はやぶさの父」的川泰宣氏が語る、はまぎんこども宇宙科学館の革新的な集客戦略

「どの科学館も『金がない』と愚痴ばかりで、新しい展示ができずに入館者が増えないと言うけれど、科学館も戦略的に目を覚ますようなことをしないと社会に貢献できません」。こう語るのは、「はまぎんこども宇宙科学館」(横浜市)の館長を務める的川泰宣(まとがわやすのり)氏です。的川館長は、宇宙教育の分野で長きにわたり貢献し、小惑星探査機**「はやぶさ」プロジェクトの中心人物として、小惑星「イトカワ」**からの微粒子持ち帰りを実現させた、日本が誇る宇宙開発のパイオニアです。現在77歳の的川氏は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の名誉教授も務めていらっしゃいます。

科学館運営の秘訣について、的川館長は「適度な貧乏を推進力に変えること」だと断言しています。的川氏は2012年にはまぎんこども宇宙科学館の館長に就任しましたが、まず着手したのは、施設を「展示を観覧するだけの場所」から「自ら実験や工作に取り組む場所」へと転換させることでした。同科学館は横浜市が所有する施設であり、運営予算には限りがあります。高額な購入費や維持費がかさむ展示物を増やすのではなく、比較的費用がかからない科学教室や工作教室を、集客の核とする戦略を打ち立てたのです。

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🧑‍🔬 地域ボランティアの力で実現した「体験型」科学教育

この新しい運営方針において、指導にあたる先生役の確保が課題となりました。余計な人件費を削減する必要があったため、的川館長は地域住民からボランティアを募集しました。すると、定年を迎えて活躍の場を求めていた元工場長、エンジニア、大学教授など、非常に多彩で優秀な人材が、続々と集まったというのです。的川館長は、「自分のこれまでの経験や知識を子どもたちに伝えるのはとても楽しいことで、特に横浜には本当に優秀な方々が多くいらっしゃいます」と、集まった地域の人材への熱い信頼を覗かせました。

結果として、はまぎんこども宇宙科学館では、年間でおよそ1000回もの科学教室や工作教室を開催できるようになりました。この「体験型」の活動が功を奏し、来館者数は驚くほど増加しました。2018年度の来館者数は33万人を数え、これは過去最高の数字となっています。私の意見ですが、既存の設備に頼るのではなく、地域の持つ「知の財産」ともいうべき人材と、子どもたちの「好奇心」という無形の資源を組み合わせたこの戦略は、限られた予算の中でも最大限の価値を生み出す、非常に画期的なアプローチであると言えるでしょう。

また、同科学館では、夏休み期間中に子どもたちが苦労しがちな自由研究をサポートする教室や、2020年度から必修化される「プログラミング」の教室も開始しています。プログラミングとは、コンピューターに対して、ある動作をさせるための指示を順番に記述すること(またはその記述されたもの)で、論理的な思考力を育む重要な教育分野です。「学校教育で悩まれている部分を手助けすることも、科学館の大切な役割の一つだ」との考えを的川館長は示しています。SNSでも「科学館でこんなに本格的な体験ができるなんて素晴らしい」「子どもたちが目を輝かせて実験に取り組んでいる姿に感動しました」といった、体験型教室への好意的な反響が多く見受けられます。

💡 「高い志」と「逆境」を原動力に変えるリーダーシップ

的川館長の信念の根底には、東京大学時代からの恩師であり、日本のロケット開発の礎を築いた故・糸川英夫氏の「金がなければ頭を使え」という教えがあります。的川氏が中心となって進めた「はやぶさ」プロジェクトにおいても、要求額のわずか4分の1の予算しか与えられなかったという厳しい現実がありました。予算の制約は、科学館の館長となった現在も同様です。しかし、的川氏は「最後に大切になるのは『高い志』だ。貧乏という逆境も、必ず原動力へと変えられるはずです」と力強く語っています。

的川氏の宇宙への興味の原点は、子どもの頃に瀬戸内海で夜釣りをしていた際に見上げた、満天の星空だったそうです。その穏やかな笑顔の奥には、「みんなの力を合わせて何かを創り上げる喜びを、科学教室や工作教室を通じて、未来を担う子どもたちに伝えたい」という、熱い思いが溢れているのでした。既存の科学館の枠を超え、地域と手を携えてSTEAM教育(スティームきょういく:Science, Technology, Engineering, Art, Mathematicsの頭文字をとった、科学・技術・工学・芸術・数学の教育分野を横断的に扱う教育手法)の重要性が高まる現代において、はまぎんこども宇宙科学館の挑戦は、全国の公共施設にとって、貴重なモデルケースとなることでしょう。

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