2019年09月23日、囲碁界の歴史に新たな1ページが刻まれました。日本棋院にて打たれた第28期竜星戦の決勝戦において、弱冠17歳の上野愛咲美女流棋聖が、全棋士に参加資格がある「一般棋戦」という舞台で、女性棋士として史上初めて決勝の舞台に立ったのです。対局の結果は、一力遼八段がその壁となり、上野女流棋聖は惜しくも初優勝を逃す形となりました。しかし、この準優勝という結果は、これまでの囲碁界の常識を打ち破る、極めて価値のある快挙と言えるでしょう。
今大会で快進撃を続けた上野女流棋聖は、その攻撃的な棋風から「ハンマー」という愛称で親しまれています。一般棋戦とは、性別や年齢に関わらず全てのプロ棋士が平等の条件で戦うトーナメントを指しますが、ここで並み居る強豪男性棋士をなぎ倒して決勝まで上り詰めた姿は、多くのファンを熱狂させました。SNS上でも「鳥肌が止まらない」「新しい時代の幕開けだ」といった称賛の声が溢れかえり、囲碁という競技が持つ性別の垣根を超えた可能性を、彼女が証明してくれたように感じます。
一方、2年連続3回目の優勝を飾った一力遼八段の勝負強さも、驚異的の一言に尽きます。彼は若干22歳にして、安定した読みと鋭い判断力を武器に、激戦を制してタイトルを守り抜きました。実力者がひしめき合う現代の囲碁界において、連覇を達成するのは並大抵のことではありません。上野女流棋聖の挑戦を正面から受け止め、プロの厳しさと王者の風格を示した一力八段の姿勢こそ、この決勝戦をより一層、ドラマチックで質の高い一戦へと昇華させた要因ではないでしょうか。
編集部としての視点ですが、今回の上野女流棋聖の活躍は、単なる「若手の台頭」に留まらない社会的意義があると考えています。囲碁の世界では長く「男女の実力差」が議論されてきましたが、彼女の奔放な打ち回しは、そうした固定観念がもはや過去のものであると告げています。もちろん、一力八段の牙城は高く険しいものでしたが、この敗北は次なる飛躍へのプロローグに過ぎません。17歳の彼女が今後どれほど強くなるのか、期待せずにはいられないのが率直な心境です。
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