今、日本のエンターテインメント業界がかつてないほどの熱気に包まれています。ぴあ総研が2019年09月20日に発表した最新の調査結果によると、2018年のライブ・エンターテインメント市場規模は、前年比で13.8%も増加し、5862億円という驚異的な数字を記録しました。音楽ライブとステージショーの両分野が過去のチケット売り上げを軽々と塗り替え、まさに「ライブ黄金時代」の到来を予感させる内容となっています。
この劇的な成長の背景にあるのは、興行の「大型化」というキーワードです。複数の著名アーティストによる大規模なツアーや、スタジアム級の会場を埋め尽くす圧巻のパフォーマンスが、市場全体の底上げに大きく寄与しました。SNS上でも「一生に一度はあのステージを生で見たい」「会場のあの一体感は配信では味わえない」といった熱量の高い投稿が溢れており、リアルな体験に対する価値が再評価されていることが伺えるでしょう。
音楽ライブ市場を席巻した安室奈美恵とレジェンドたちの輝き
音楽ライブ市場に目を向けると、その規模は前年比11.8%増の3875億円に達しています。興味深いことに公演数自体は1.6%ほど減少していますが、動員数が9.1%増加したことで、マイナス分を鮮やかにカバーしました。これは、一つひとつの公演がより大規模に、そしてより密度の濃いものへと進化している証拠と言えます。特にポップス分野では、スタジアムやアリーナを舞台にした巨大ツアーが市場の8割を占める大盛況を見せました。
なかでも2018年09月に惜しまれつつ引退を迎えた安室奈美恵さんのラストツアーは、社会現象とも呼べる歴史的な盛り上がりを見せました。さらに、デビュー20周年を記念したツアーをスタートさせた「嵐」や、30周年という節目をスタジアム公演で飾った「B’z」など、日本を代表するトップアーティストたちの活躍が市場を強力に牽引しています。彼らが作り出す壮大なステージは、ファンの心を掴んで離さない魅力に満ちているのです。
ステージ市場の進化と「会場不足」を乗り越えるロングラン戦略
一方、ミュージカルや演劇を含むステージ市場も、前年比17.9%増の1987億円と目覚ましい躍進を遂げました。実は現在、興行の世界では「会場不足」という深刻な問題に直面しており、公演回数自体は頭打ちの状態が続いています。しかし、1公演あたりの動員数を増やし、1人あたりの単価を向上させることで、市場はさらなる拡大を実現しました。ここで鍵となったのが、特定の演目を長期間上演し続ける「ロングラン公演」の成功です。
例えば2018年08月に誕生した劇団四季の「キャッツ・シアター」では、名作『キャッツ』が連日多くの観客を魅了し続けています。また、360度回転する客席が話題の「IHIステージアラウンド東京」での劇団☆新感線の公演など、最新設備を駆使した体験価値の向上がファンを惹きつけました。単に「観る」だけでなく、その場にいること自体がステータスとなるような、プレミアムな空間作りが今のトレンドであると断言できるでしょう。
さらに「恐竜どうぶつ園」のような体験型ライブや、人気テレビ番組から派生した大型イベントなど、これまでの枠にとらわれない新しい形態のエンタメも集客に貢献しています。私個人の見解としては、デジタル化が進む現代だからこそ、人々は五感を刺激される「生」の感動を強く求めているのだと感じます。チケット価格が上昇傾向にあっても、それ以上の価値を感じさせる質の高い興行が続く限り、この勢いは止まることはないはずです。
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