【2019年最新】後発医薬品の「中国依存」が招く医療崩壊の危機!日医工の供給停止から考える、命を守る調達戦略とは?

私たちが普段、病院や薬局で手にする「後発医薬品(ジェネリック医薬品)」。医療費を抑える救世主として期待されていますが、今、その足元が大きく揺らいでいます。2019年に入り、製薬大手の「日医工」が手術現場で欠かせない抗生物質「セファゾリン」の供給を停止したニュースは、医療界に激震を走らせました。SNS上でも「手術が延期になるかも」「代替薬の副作用が怖い」といった切実な声が溢れており、事態の深刻さが浮き彫りになっています。

そもそも「後発医薬品」とは、先発薬の特許が切れた後に、同じ有効成分を使って製造される安価な薬のことです。なぜ、この大切な薬が届かなくなってしまったのでしょうか。その最大の要因は、原材料の調達を中国の特定メーカー1社に頼り切っていた「中国リスク」にあります。今回、中国当局が環境規制の一環として現地の排水処理不備を理由に工場を操業停止させたことで、日本への供給ルートが完全に断たれてしまったのです。

日医工の田村友一社長は、2019年年内の出荷再開を目指し、インドのメーカーとの交渉を急いでいます。しかし、この問題は日医工一社の話ではありません。コスト削減を優先するあまり、安価な中国産原材料への依存度は業界全体で過半数に達していると言われています。別の抗生物質「ダゾピペ」でも供給不安が指摘されるなど、連鎖的なリスクが現実味を帯びており、まさに「日本の医療の首根っこを海外に掴まれている」ような状況です。

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生き残りをかけた大手各社の「脱・中国依存」戦略

この危機的状況を受け、国内メーカーは調達先の多様化へと舵を切っています。例えば、沢井製薬は約740品目のうち、現在は5割にとどまっている複数企業からの購買比率を、早急に7割から8割へ引き上げる方針を固めました。主力製品については、リスク分散のために3社以上からの調達も検討しています。単一の国や企業に依存しない「分散投資」の考え方が、薬の安定供給においても不可欠となっているのです。

一方で、東和薬品はさらに踏み込んだ「内製化」を推進しています。内製化とは、これまで外部から買っていた原材料を自社グループで作ることを指します。同社は兵庫県福崎町にある大地化成に約70億円を投じ、2020年度までに40種類以上の原材料を自ら合成できる体制を整える計画です。研究開発費も過去最高水準の260億円以上を投じるなど、コストがかかっても「自国で守る」姿勢を鮮明に打ち出しています。

しかし、こうした対策ができるのは体力のある大手企業に限られます。2019年9月3日には、日本化学療法学会など4つの学会が異例の共同記者会見を開き、「これは国防に関わる問題だ」と政府に訴えました。国が医療費抑制のために「薬価(国が決める薬の公定価格)」を下げ続けた結果、多くの後発薬が「作れば作るほど赤字」という限界状態に陥っています。安さを求めるあまり、安全性や安定供給が犠牲になっている現状には、強い憤りを感じざるを得ません。

厚生労働省は「重要課題」と認めつつも、薬価の引き上げには患者負担増というデリケートな問題が絡むため、具体的な動きは鈍いままです。私個人の意見としては、命に関わる医薬品を「安さ」だけで評価する時代は終わらせるべきだと考えます。有事の際でも確実に薬が届く体制を維持するためには、適正な価格設定と国内生産への支援が不可欠です。私たちは今、医療の質と安定をどう守るのか、大きな分かれ道に立たされているのではないでしょうか。

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