家具・インテリア業界の絶対王者、ニトリホールディングスの快進撃が止まりません。2019年9月25日現在、同社の2019年3〜8月期における連結営業利益は、前年同期比で約2%減の550億円前後にとどまる見通しであることが判明しました。当初、店舗改装などへの積極投資により5%の減益を予想していた同社ですが、蓋を開けてみればその落ち込みを大幅にカバーする粘り強さを見せています。
この業績を下支えした最大の功労者は、ニトリが誇る「PB(プライベートブランド)」商品です。PBとは、小売店が企画から製造までを一貫して手がける独自商品のことで、中間マージンをカットできるため、高品質でありながら手頃な価格を実現できるのが強みです。特に、睡眠の質を追求したベッドマットレスなどの大型商品が、競合他社を寄せ付けない圧倒的な支持を集めたことが、今回の利益押し上げに大きく寄与しました。
また、単に商品を並べるだけでなく、ライフスタイルそのものを提案する「コーディネート販売」も功を奏しています。「ナチュラル」や「ヴィンテージ」といった具体的なお部屋のテーマを店舗で提示することで、お客様が家具を「まとめ買い」する流れを作り出しました。これにより、1人あたりの購入点数が増加し、売上高は前年同期比6%増の3200億円強に達する勢いを見せています。
天候不順も「Nクール」の猛追と家電強化で克服
2019年の夏は、長い梅雨と低温という厳しい条件下でスタートしました。その影響で、看板商品である接触冷感寝具「Nクール」の出足は一時的に鈍ったものの、8月の記録的な酷暑が追い風となり、一気に挽回を果たしています。SNS上でも「ニトリのNクールがないと夜が越せない」といった熱狂的な投稿が相次ぎ、季節商品の底力を改めて見せつける形となりました。
さらに注目すべきは、ニトリが近年注力している家電分野の躍進です。単身世帯のニーズを的確に捉えた「冷凍庫が大きめの冷蔵庫」や、共働き世帯に嬉しい「大容量の洗濯機」がスマッシュヒットを記録しました。家具選びのついでに家電も揃えられる利便性が、忙しい現代人のライフスタイルに合致したといえるでしょう。店舗にない商品はネット通販で補完する連携もスムーズに機能しています。
足元では2019年10月の消費税増税を目前に控え、駆け込み需要も加速しています。2019年9月24日に発表された最新の月次データによれば、既存店売上高は前年比19.5%増という驚異的な伸びを記録しました。ベッドやソファといった高単価商品が飛ぶように売れており、この勢いが通期目標である営業利益1040億円の達成を、より確固たるものにしていきそうです。
個人的な見解として、ニトリの強さは「変化への対応力」に尽きると感じます。円安という逆風すらも、緻密なコスト管理と商品力で跳ね返す姿は、まさに製造物流小売業の理想形です。増税後の反動減という懸念は残るものの、単なる「安さ」ではなく、生活を豊かにする「提案力」を武器にする現在の戦略を見る限り、その成長神話は今後も長く続いていくに違いありません。
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