2019年09月25日現在、外国為替市場ではこれまでの常識を覆すような異例の事態が巻き起こっています。通常、中央銀行が利下げなどの「金融緩和」を実施すれば、その国の通貨価値は下がるのが通例でした。しかし、足元では欧米の中央銀行が相次いで緩和に踏み切ったにもかかわらず、皮肉にもドル高やユーロ高が進行するという、これまでの法則が通用しない局面を迎えているのです。
金融緩和とは、景気を下支えするために中央銀行が世の中に出回るお金の量を増やしたり、金利を下げたりする政策を指します。金利が下がればその通貨を持つメリットが薄れるため、売られやすくなるのが一般的です。ところが、2019年09月18日前後に米連邦準備理事会(FRB)が利下げを決めた際、円相場は1ドルあたり40銭ほど円安・ドル高へと振れる結果となりました。
同様の現象は欧州でも観測されています。2019年09月12日に欧州中央銀行(ECB)がマイナス金利の深掘りや量的緩和の再開を決定した直後、対ユーロでの円相場は1円程度の円安・ユーロ高を記録しました。市場の期待を超える大胆な策を打ち出したはずのECBですが、結果として通貨安を誘導できていない現状からは、中銀と市場との対話がいかに困難を極めているかが伺えます。
SNS上でもこの奇妙な動きは大きな注目を集めており、「利下げしたのに通貨が上がるなんて予測不能だ」「教科書通りのトレードが通用しない時代になった」といった、戸惑いや驚きの声が数多く投稿されています。投資家の間では、中央銀行が繰り出す政策の効果に対して懐疑的な見方が強まっており、もはや金利操作だけでは為替をコントロールできないという焦燥感が漂っているようです。
専門家の分析によれば、ドラギ総裁が会見で政府による財政出動の必要性に言及したことが、皮肉にも「金融政策の限界」を市場に強く印象付けてしまったといいます。政策手段を使い果たしたとの受け止めが広がれば、もはや緩和は通貨安の材料にはなり得ません。政治主導のリスクが蔓延する中で、中銀がコントロールできる範囲を超えたパワーゲームが為替を動かしているのでしょう。
一方で、2019年09月19日に現状維持を決めた日本銀行についても、安易な追加緩和にはリスクが伴います。金利をさらに下げれば銀行の収益が悪化し、結果として株安やリスク回避の円高を招くという負の連鎖も懸念されているのです。私個人としては、中央銀行が万能であった時代は終わり、これからは各国の財政政策や政治動向こそが、相場を読み解く真の鍵になると確信しています。
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