💩【うんコレ】ゲームで大腸がん啓発!医師が開発した「観便」促すスマホRPGの斬新な挑戦

スマートフォン用ゲーム「うんコレ」が、2019年7月にも配信を控えており、今、大きな注目を集めています。このゲームは、美少女キャラクターを集めながら、腸内の細菌を擬人化したキャラクターと敵が戦う、一見するとよくあるロールプレイングゲーム(RPG)の形式をとっています。しかし、その内容が非常にユニークなのです。ゲーム内の「女神」がプレイヤーに問いかけるのは、「今日の便の色や形は?」という、まさに“排泄物”に関する質問なのです。

この異色のゲームを開発したのは、医師である石井洋介さん(当時38歳)を中心としたチームです。彼らは、若い世代に毎日の便の状態チェックを習慣化してもらうことを目指しています。女神は、プレイヤーから報告された便の状態について解説し、便通や健康に関する知識を伝授します。石井医師は、「名前はふざけていると思われるかもしれませんが、目的は大腸がんなどの消化器系疾患の早期発見という、大変まじめなものなのです」と、その熱意を語っています。

消化器系の病気は、初期段階では腹痛などの自覚症状が出にくいため、病気の発見が遅れやすいという深刻な問題があります。その異変を知る重要なバロメーターの一つが「便の状態」、すなわち「観便(かんべん)」です。例えば、胃がんの場合は黒っぽい便が出ることがあり、大腸がんの場合には便秘と下痢が交互に繰り返されるといった特徴的な症状が見られます。石井医師は、「便をよく見ることが健康を守る上で本当に大切です。若者が親しみやすいスマートフォンゲームを通して、この観便を習慣にしてもらいたい」という強い願いを持っています。

この開発の背景には、石井医師自身の壮絶な闘病経験があります。15歳の時に難病である「潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)」と診断され、高熱で入院。症状が悪化して高校生活は休みがちになり、卒業後は一時的に自宅に引きこもる生活を余儀なくされました。そして19歳で大腸の全摘出手術を受け、人工肛門を造設するという大変な経験をされました。この最初の入院の半年前には、実は血便が出ていたのですが、若いゆえの恥ずかしさから放置してしまった過去があります。「もっと早く便の状態を深刻に受け止め、治療を始めていれば、ここまで悪化せずに済んだのではないか」という後悔の念が、今でも彼の心に残っているのです。

しかし、石井医師は20歳で小腸を大腸の代用とする手術を受け、健康を回復。その経験から、「今度は自分が人を助ける側になりたい」と強く決意し、消化器系の医師を志します。2年間の猛勉強の末、高知大学医学部に入学されました。しかし、医師になってからも、進行した大腸がんの患者さんと向き合う中で、早期発見の重要性を痛感しました。進行してからの受診では、残念ながら手を尽くしても命を救えないケースもあるからです。これが、病気への関心が薄い若い世代へ、体の変化を見つめることの大切さを伝えるという使命感につながったのでしょう。

スポンサーリンク

医師の情熱が生んだ「日本うんこ学会」と反響

この啓発活動の母体となっているのが、石井医師が2013年に立ち上げた「日本うんこ学会」というグループです。この学会には、IT技術者やアニメーターなど、医療とは異なる分野のメンバーが参加しています。彼らは、若者向けの大型イベントでトークショーを開催したり、インターネット上で便の重要性を訴える動画を配信したりするなど、型破りな方法で啓発活動を行っています。

実際に、彼らがイベントで展示した、皮膚への微細な振動で健康な時や病気の時の便の触感を再現できる機器には、長蛇の列ができました。このことから石井医師は、「医療という、やや硬い話題であっても、面白さや親しみやすさを加味して伝えれば、若者も興味を持って耳を傾けてくれる」という確かな手応えを感じています。この斬新なアプローチは、SNS上でも「まじめなテーマをユーモラスに伝えるのが素晴らしい」「ゲームなら毎日続けられそう」といった肯定的な反響を多く集め、「#うんコレ」というハッシュタグでの拡散も期待されている状況です。

石井医師にとって、ゲームは単なる娯楽ではありません。大好きなゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズに登場する、冒険の途中で体力や気力を回復できる場所である「セーブポイント」に特別な思い入れがあるそうです。その思いから、2018年に医学部の先輩とともに東京・秋葉原で診療所を開院する際、「安心して体力や気力を回復できる場所になってほしい」という願いを込めて、「秋葉原内科saveクリニック」と名付けられました。受付の一番目立つ場所には、その「セーブポイント」の模型が誇らしげに置かれているのです。病気の早期発見につながる「観便」を促すゲーム「うんコレ」の登場は、医療界の新たな一歩となり、多くの人々の健康意識を変えていくことでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました