厚生労働省が自殺対策の一環として展開している、会員制交流サイト(SNS)を用いた相談事業について、2018年度の相談実績が明らかになりました。相談件数は延べ2万2,725件という、極めて多数に上っています。この内容は、まもなく閣議決定される予定の2019年版自殺対策白書にも詳しく記載される見込みです。特に注目すべきは、相談者の属性であり、未成年者が全体の44%と最も多く、次いで20代が41%を占めている点です。これは、深刻な悩みを抱える若年層からの切実なSOSが、SNSを通じて多く寄せられている実態を浮き彫りにしていると言えるでしょう。
また、性別で見ると、相談者の92%が女性であり、男性の8%を大きく上回る結果となりました。これは、女性が日頃からSNSなどのデジタルツールを利用することに慣れている傾向や、心理的な悩みを相談しやすい環境を求めている可能性を示唆していると考えられます。相談に使われたSNSは、メッセージアプリであるLINE(ライン)が1万9,412件と全体の8割を超える圧倒的な割合を占め、次にチャット形式での相談が3,108件、その他のツールが205件と続いています。多くの人が日常的に利用し、手軽にアクセスできるLINEが、悩みを打ち明ける際の主要なプラットフォームになっていることがうかがえます。
寄せられた相談内容は、多岐にわたるため合計で3万5,104件にもなりました。そのうち最も多かったのは「メンタル不調」で8,282件(24%)です。「メンタル不調」とは、心の健康状態が優れないことや、気分が落ち込む、不安が続く、眠れないといった精神的な不調全般を指す言葉です。次に深刻な「自殺念慮(ねんりょ)」が7,012件(20%)と続き、相談の約5分の1が自殺を考えるほど追い詰められた状況であることが分かります。これに「家族」に関する相談が3,879件(11%)、「学校」に関する相談が2,993件(9%)、「勤務」に関する相談が2,214件(6%)と続いています。これらの結果から、人間関係や日々の生活基盤におけるストレスが、心の健康を蝕んでいる様子が読み取れます。
厚生労働省の取り組みとは別に、文部科学省も2018年4月から12月にかけて、30の自治体の児童生徒を対象としたSNS相談事業を実施しています。こちらには1万1,039件の相談が寄せられており、最も多かったのは「友人関係」で22%でした。次いで「学業・進路」と「いじめ問題」がそれぞれ10%、「心身の健康・保健」が8%となっています。学生の相談では、学校生活での人間関係の悩みが根強く、また将来への不安や学業のプレッシャーも無視できない要因であることが見て取れます。SNS相談は、子どもたちが学校や家庭といった既存のコミュニティで相談しにくいデリケートな問題を、匿名性を保ちながら打ち明けられる重要なセーフティネットとして機能していると言えるでしょう。
2018年の全国の自殺者数は2万840人で、前年と比較して481人の減少となり、9年連続の減少を記録しました。これは1981年以来37年ぶりの2万1千人割れという、一定の成果が表れていると評価できます。一方で、未成年の自殺者数は1998年以降、ほぼ横ばいの状態が続いており、この層への対策が急務となっています。このような状況を踏まえると、SNSを通じた相談事業は、特に未成年や若年層といった、従来の相談窓口を利用しにくい層にとって、命を守るための非常に効果的で、現代のニーズに合致したアプローチだと断言できます。
この厚生労働省のまとめが発表されたことに対し、インターネット上では大きな反響がありました。「未成年者や20代からの相談がこんなに多いなんて、心が痛む」「SNSなら気軽に相談できるから、利用が増えるのは当然だと思う」「相談窓口の存在をもっと広めるべき」といった声が多数見受けられました。特に、女性からの相談が圧倒的に多い点や、LINEが主流である点に驚きを示す意見もありました。SNS相談が浸透している今、その体制をさらに強化し、対応する専門家の質と量を高めることが、私たちの社会の喫緊の課題であると考えられます。
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