2019年6月14日、日本民間放送連盟(民放連)の大久保好男会長は、定例の記者会見において、NHKが進めるインターネット常時同時配信のあり方について、強いけん制の姿勢を示されました。この問題は、テレビ放送の未来を大きく左右する可能性を秘めているため、放送業界全体が注視しているトピックです。
大久保会長は、NHKのインターネットを活用した業務は、あくまで本来の放送事業の補完として位置づけられるべきだ、との見解を強調されています。そして、「節度をもって抑制的に運営する必要がある」と、NHKに対して強く訴えかけられました。この発言の背景には、NHKがインターネット配信の規模を過度に拡大し、民間の放送局、つまり民放の事業領域を圧迫することへの懸念があるものと考えられます。
具体的に民放連が問題視しているのは、NHKが2020年度以降のインターネット業務にかける費用の上限基準を順守するかどうかを、明確に明言していない点です。この上限基準は、NHKのネット業務が肥大化しすぎないよう、放送法に基づき定められた一種の歯止めであります。民放連としては、この基準が厳格に維持されることを改めて求めた格好となり、NHKへのプレッシャーを強めている状況だと言えるでしょう。
このニュースに対するSNSでの反響は非常に大きく、「国民からの受信料で運営されているNHKが、際限なくネットに費用を投じるのはおかしい」といった声や、「ネット配信は便利だが、民放の経営を脅かすようなら規制は必要だ」といった意見が多く見受けられました。一方で、「時代はマルチプラットフォームなのだから、NHKがネット活用に積極的になるのは当然の流れだ」という、NHKの姿勢に理解を示す声も一定数存在しています。
私自身の意見としては、公共放送であるNHKが、時代の変化に合わせてサービスを拡充していくこと自体は理解できます。しかし、その財源は国民の受信料で成り立っているという公共性、そして、民間企業として広告収入を基盤とする民放との公平性という二つの重要な側面を、決して見失ってはならないでしょう。特に、常時同時配信が「放送の補完」という位置づけから逸脱し、事実上の「第二の基幹事業」になってしまうと、健全な放送市場の競争環境が歪められてしまう危険性があるのです。民放連が基準の維持を求めるのは、市場の多様性と健全な競争を守るための、極めて正当な主張であると言えるでしょう。


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