【2019年9月最新】日本のトップ経営者100人が読む世界経済の暗雲と「消費増税・五輪」への本音

世界経済の行方を左右する巨大なうねりの中で、日本のトップ経営者たちは今、どのような景色を見つめているのでしょうか。2019年09月26日に発表された「社長100人アンケート」の結果からは、かつてないほどの緊張感と、次なる時代への備えが鮮明に浮かび上がってきました。

特に注目すべきは、隣国・中国の景況感に対する厳しい評価です。アンケートに回答した経営者の半数を超える53.0%が、現状を「緩やかに悪化している」と分析しています。さらに、半年後の2020年03月頃の予測についても、約半数が先行きの不透明さを拭えないと回答しており、楽観視できない状況が続いています。

こうした慎重な姿勢の背景にあるのは、やはり長引く「米中貿易摩擦」の影響です。この摩擦とは、世界第1位と2位の経済大国であるアメリカと中国が、関税の引き上げなどを通じて互いに圧力をかけ合う貿易上の対立を指します。実に85.3%の経営者が、中国景気悪化の主因としてこの問題を挙げています。

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貿易摩擦への苦渋の決断とサプライチェーンの再構築

貿易摩擦は、単なる国家間の争いにとどまらず、日本企業の業績にも影を落としています。アンケートでは約77%もの企業が、自社の業績に対して「マイナス」または「どちらかといえばマイナス」の影響があると回答しており、現場の切実な悩みが伝わってくるようです。

これに対し、多くの企業が「生産拠点の変更」や「調達ルートの見直し」といった、攻めの構造改革に乗り出しています。これはサプライチェーン、つまり原材料の調達から製造、販売に至るまでの一連の供給網を根本から作り直す作業であり、グローバル企業にとっては文字通りの大手術と言えるでしょう。

SNS上でも「大手企業の脱中国が進むのか」「身近な製品の値上げが心配」といった声が散見されます。経営者たちは、コスト増加分を自社で吸収するか、あるいは商品価格へ転嫁するかという、極めて難しい経営判断を2019年の今、まさに迫られている状況にあります。

消費増税と東京五輪、国内イベントへの期待と不安

視点を国内に移すと、目前に迫った消費税率の引き上げが大きな関心事です。意外にも、現時点での「駆け込み需要」については、約半数が「発生しない」と冷ややかに見ています。増税後の反動減を懸念する声もあり、消費マインドの冷え込みに対する警戒感は非常に強いと言えます。

一方で、2020年東京五輪・パラリンピックについては、約4割の企業が「業績の上振れ要因になる」と期待を寄せています。インバウンドと呼ばれる訪日外国人の増加や、大会に関連した特需が日本経済を支える一筋の光になると信じられているようです。祭典への期待は、ビジネスの現場でも確実に高まっています。

ただ、大会期間中の交通規制への対応として、半数以上の企業が「在宅勤務(テレワーク)」の実施を計画している点は興味深い変化です。これは、特定の場所にとらわれずに働くスタイルを指しますが、五輪をきっかけに日本の働き方そのものが大きくアップデートされる可能性を秘めています。

「同一労働同一賃金」への挑戦と人件費の未来

さらに経営者たちを悩ませているのが、2020年04月から導入される「同一労働同一賃金」への対応です。これは、正社員か非正規雇用かという雇用形態にかかわらず、同じ仕事内容であれば同じ賃金を支払うという画期的な制度です。不合理な待遇差を解消し、誰もが納得して働ける環境作りが求められています。

アンケートでは、約47%の企業が将来的に「総人件費が増える」と予測しています。企業の負担は増しますが、これは働く側にとっては、非正規社員の賞与支給や慶弔休暇の適用など、福利厚生の拡充につながる明るい兆しでもあります。経営者たちは、コスト増をいかに効率化で補うかという課題に直面しています。

私自身の見解としては、現在の日本企業は、外部環境の荒波に揉まれながらも、働き方改革や供給網の刷新といった「内なる変革」を加速させている時期にあると感じます。変化を恐れず、これらの課題を成長のバトンに変えられるかどうかが、次世代の日本経済を決定づけるのではないでしょうか。

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