2019年09月26日、日本を代表する企業のリーダーたち145人を対象とした「社長100人アンケート」の結果が公開されました。現在の日本経済をどのように捉えているかという問いに対し、実に62.7%の経営者が「景気は横ばいである」と回答しています。かつての勢いは影を潜め、多くの企業が慎重な姿勢を崩せない状況にあることが浮き彫りとなりました。
景気が停滞している最大の要因として挙げられたのは、泥沼化する「米中貿易摩擦」です。これは世界経済の二大巨頭であるアメリカと中国が、互いに関税を引き上げ合うなどして対立する現象を指します。回答者の63.7%がこの影響を指摘しており、さらに中国経済の減速を懸念する声も4割近くに達しました。グローバルに展開する日本企業にとって、外部環境の荒波は無視できない脅威となっているようです。
忍び寄る消費増税の影と3カ月後の冷え込み予想
視線を少し先に向けた2019年12月頃の景気予測では、さらに厳しい見通しが示されています。現状より景気が「緩やかに悪化する」または「悪化する」と答えた割合は、合計で約35%に急増しました。この背景には、間近に迫った消費増税への警戒感があります。増税による「個人消費の冷え込み」を懸念する声は、悪化を予想する経営者の約6割にのぼり、家計の財布の紐が固くなることへの強い危機感が伝わってきます。
一方で、2020年03月頃の半年後の展望については、23.4%が「緩やかに拡大する」と回答しており、わずかながら明るい兆しも見え隠れしています。SNS上では「増税後の反動が怖いけれど、オリンピック景気に期待したい」といった声や、「経営トップの慎重さは現場の肌感覚に近い」といった共感の声が目立ちます。不透明な時代だからこそ、経営陣は守りと攻めのバランスを必死に模索しているのでしょう。
世界を揺るがす「ブレグジット」と円高リスクへの備え
海外に目を向けると、英国のEU離脱、いわゆる「ブレグジット」が大きな懸念材料となっています。2019年10月末に期限を控える中、ビジネスへの影響があると答えた企業は約3割に達しました。特に「通関の混乱」や「サプライチェーン(原材料の調達から販売までの一連の流れ)の断絶」を恐れる声が多く、一部の企業では拠点の移転や仕入れ先の見直しといった具体的な対策に乗り出していることが判明しました。
今後の為替相場についても、2020年03月頃には「1ドル=105円から110円」の範囲で推移すると見る経営者が6割を超えています。想定以上の円高が進んだ場合、輸出企業の営業利益を押し下げる要因になりかねません。世界的な景気減速の波が押し寄せる中、日本企業は内憂外患の状況に立たされています。しかし、こうした逆風の中でも設備投資を継続しようとする意欲が一部で見られる点は、日本経済の底力を感じさせます。
編集者としての私の視点では、今回のアンケート結果は「嵐の前の静けさ」を象徴しているように感じます。米中対立やブレグジットといった外的要因は、個別の企業努力だけではコントロールできません。だからこそ、今こそデジタルトランスフォーメーションなどの内製化を急ぎ、外部環境に左右されない強靭なビジネスモデルを構築することが、リーダーたちに課せられた真の宿題なのではないでしょうか。
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