石油大国イラクの復興を後押し!1100億円の円借款でバスラ製油所を大改修、日本企業進出への期待

国際協力機構(JICA)は、2019年6月16日、イラク政府との間で、同国南部バスラにおける製油所改良プロジェクトを対象とした、1100億円もの大規模な円借款契約を締結しました。この円借款とは、開発途上国に対して緩やかな条件で資金を貸し付ける日本の有償資金協力の一つであり、今後数年をかけて段階的に提供される予定です。このプロジェクトの総事業費は約4000億円に上り、すでに2008年と2012年にも合計445億円の円借款が契約済みであるため、最終的には事業費用の大半が日本の資金によって賄われる見込みとなるでしょう。

このバスラ製油所は、イラク国内で最大規模の石油製品生産能力を誇る重要な施設です。今回の改良事業では、生産能力を飛躍的に向上させるため、精製プラント、つまり原油からガソリンや軽油といった様々な石油製品を作り出す中核設備、の機能が大幅に拡充されます。JICAの発表によれば、現在のガソリンや軽油などの生産量は日量約6万バレル(石油の体積を表す単位で、約159リットル)ですが、これが一気に日量16万バレルまで向上する計画です。これにより、イラクの国内需要を満たす上で大きな力となるでしょう。

単なる増産に留まらず、環境への配慮も今回の事業の重要なポイントです。脱硫装置など、環境負荷を軽減するための設備も新たに導入されます。脱硫装置とは、精製過程で排出される硫黄酸化物などの有害物質を除去する装置のことで、大気汚染の防止に役立ちます。着工は2020年後半を予定しており、2024年中の稼働開始を目指しているとのことです。このプロジェクトの実現は、イラクの経済安定化に向けた強力な一歩になるでしょう。

この大規模な事業では、プラントの建設や計装機器、すなわち温度や圧力などを測定・制御する機器の調達において、日本企業が参画することが見込まれています。イラクは原油埋蔵量が約1500億バレルと世界有数の石油大国でありながらも、過激派組織「イスラム国」(IS)の台頭などに伴う治安悪化のため、現地での事業展開に慎重な日本企業が多いのが現状です。しかし、このバスラ製油所改良事業は、イラク経済の安定を直接的に支援するとともに、日本企業の新たな市場進出を後押しする絶好の機会となるに違いありません。

このプロジェクトは、元々2012年に計画策定に着手されたものの、その後の治安悪化で一時中断されていました。米欧諸国の軍事介入によって「イスラム国」がイラクの主要都市から撤退したことで、ようやく事業再開の目途が立ち、今回の契約に至ったのです。この背景には、国際社会の地道な復興支援と、イラク側の強い経済復興への意志が見て取れます。SNSでは、「日本の技術がイラクの復興に役立つのは素晴らしい」「治安が改善して、日本の企業が海外で活躍できる場が増えるのは嬉しいニュースだ」といった、期待と応援の声が多く見受けられます。日本の優れた技術と資金力が、中東の平和と安定に貢献することを心から願っております。

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