2019年6月16日、立憲民主党の枝野幸男代表は、夏の参院選を目前に控え、安倍晋三首相に対する内閣不信任決議案よりも、参議院への問責決議案提出を優先して検討する考えを明らかにされました。枝野代表は京都市内で記者団に対し、「参院選に挑むので、問責決議案を参院に出すのが筋ではないかと思っています」と、その理由を説明されています。この戦略的判断は、永田町の政局にどのような波紋を広げるのでしょうか。
問責決議案とは、国会(ここでは参議院)が、内閣総理大臣や国務大臣などの閣僚の責任を追及するために提出する議案のことです。衆議院で提出される内閣不信任決議案とは異なり、可決されても内閣総理大臣に衆議院解散の義務が生じたり、内閣が総辞職したりするような法的な拘束力はありません。しかし、内閣に対する政治的な批判の意思を強く示し、与党に対して大きな圧力をかけることができます。
枝野代表が問責決議案の優先検討を表明された背景には、安倍首相が夏の参院選に合わせて衆参同日選を見送る方向で検討しているとの報道が影響しているようです。代表は「解散がなさそうだから、不信任案を出すと(政権に)思われるのはしゃくだ」と述べ、仮に内閣不信任案を提出したとしても、衆議院解散という最大のアクションに繋がりにくい状況を指摘されました。衆院解散の可能性が低いならば、あえて効力の弱い問責決議案を参議院に提出し、参院選に向けた「安倍政権批判」の姿勢を鮮明にする方が、選挙戦略上、より効果的だと判断されたのでしょう。
これに先立ち、枝野代表は大阪市内で記者団に対し、麻生太郎財務相兼金融担当相に対する内閣不信任決議案を提出する方針を明らかにされています。麻生大臣への不信任案提出と、首相への問責決議案の優先検討という二段構えの動きは、与党に対して広範な責任追及を行うという野党側の強い意志の表れと言えるでしょう。この一連の動きは、参院選を前に政権への追及ムードを高め、野党共闘の結集軸となり得るか、今後の展開に注目が集まります。
この報道を受けてSNSでは、「選挙前に問責を出すのは当然の戦略」「首相にプレッシャーをかける良い手だ」といった賛同の声がある一方で、「選挙向けのパフォーマンスに見える」「不信任案の提出をためらっているように見える」といった厳しい意見も見受けられます。与党側からは「単なる選挙対策」と一蹴される可能性もありますが、野党第一党によるこの動きが、夏の参院選における国民の投票行動にどのような影響を与えるのか、私たちは注意深く見守る必要がありそうです。
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