自動車業界に激震が走るニュースが飛び込んできました。2019年09月27日、トヨタ自動車とSUBARU(スバル)が資本業務提携の拡大を発表し、世界中のファンや投資家の間で大きな話題となっています。SNSでは「ついにトヨタ連合が本格始動か」「スバルの個性が消えないか心配だけど、生き残りには不可欠な選択だ」といった、期待と不安が入り混じった熱い声が次々と投稿されています。
今回の提携強化の背景にあるのは、100年に一度と言われる大変革期「CASE」への対応です。CASEとは、Connected(接続性)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(共有)、Electric(電動化)の頭文字を取った造語で、これからの車に求められる必須要素を指します。トヨタはこの荒波を乗り越えるため、なりふり構わず地盤固めを急いでいる印象を強く受けます。
トヨタの幹部が「ためらっている時間はない」と漏らす通り、現場には凄まじい危機感が漂っているのでしょう。かつては資本提携に慎重だった同社ですが、2017年08月04日のマツダへの出資を皮切りに、2019年08月28日にはスズキとの提携も発表しました。まさに「日本連合」とも呼べる巨大な陣容を整え、次世代技術の世界標準を勝ち取ろうとする執念が感じられます。
巨大IT企業の脅威と「米国市場」での真剣勝負
なぜこれほどまでに提携を急ぐのでしょうか。その理由は、ライバルが既存の自動車メーカーだけではなくなったからです。米国のアルファベット(グーグル親会社)やアップルといった、潤沢な資金を持つIT巨人が自動運転分野に続々と参入しています。さらに、電気自動車(EV)の世界ではテスラや中国の新興メーカーが凄まじい勢いで台頭しており、伝統的なメーカーは窮地に立たされています。
特に今回のスバルとの連携深耕は、世界最大の激戦区である米国市場を強く意識したものです。トヨタは幅広い車種を揃える一方で、スバルは多目的スポーツ車(SUV)に特化し、熱狂的なファン層を抱えています。この両者が手を取り合うことで、CASE開発の本場である米国での存在感を一気に高める狙いがあるのでしょう。技術開発のスピードを上げ、異業種からの侵略を食い止める防波堤を築こうとしています。
私個人の見解としては、この「全方位外交」こそがトヨタの真骨頂だと感じます。インドに強いスズキ、開発効率に長けたマツダ、そして米国で独自の地位を築くスバル。各社の強みをジグソーパズルのように組み合わせる戦略は、非常に合理的です。単なる規模の拡大ではなく、各地域の特性に合わせた「適材適所」の布陣を敷くことで、世界販売1600万台という圧倒的なスケールメリットを最大化できるはずです。
世界を巻き込む合従連衡と中国市場への布石
世界の競合他社も黙って指をくわえているわけではありません。ドイツのフォルクスワーゲン(VW)と米国のフォードが提携を決めるなど、地域補完を目的とした「合従連衡(がっしょうれんこう)」が加速しています。合従連衡とは、勢力が均衡する者同士が利害のために手を組むことを指しますが、現在の自動車業界はまさにその戦国時代に突入したと言えるでしょう。
また、トヨタ連合が唯一苦戦を強いられている中国市場へのアプローチも見逃せません。トヨタは2019年04月03日にハイブリッド車(HV)関連の特許無償開放を発表し、現地メーカーへの技術供与を積極的に進めています。これは自社の技術を「標準」にしてしまう巧みな戦略です。中国政府がHVを優遇する方針に転換しつつある今、この布石が大きな果実をもたらす可能性は極めて高いと予測されます。
年間1兆円を超える研究開発費を投じても、IT大手の3兆円規模の資金力には単独で立ち向かうのは困難です。だからこそ、仲間を増やし、技術を普及させるスピードで勝負するしかありません。2019年09月28日現在、トヨタが描く「未来のモビリティ社会」の設計図は、着実に現実のものとなりつつあります。この巨大な連合艦隊が、世界の景色をどう変えていくのか目が離せません。
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