アジア最大級の独立系再生可能エネルギー事業者であるヴィーナ・エナジーが、日本のエネルギー市場に新たな風を吹き込もうとしています。シンガポールに本拠を置く同社は、これまで国内で主力としてきた太陽光発電に加え、新たに陸上風力発電事業へ進出することを決定いたしました。2019年内にも青森県と熊本県の2カ所で発電所の建設に着手する予定であり、電源の多角化を加速させていく構えです。
SNS上では「外資のスピード感に驚く」「日本の再エネ市場もいよいよ群雄割拠の時代か」といった期待の声が上がっています。ヴィーナ・エナジーは、世界屈指のインフラ投資ファンドである米グローバル・インフラストラクチャー・パートナーズ(GIP)の傘下という強力なバックボーンを持っており、その圧倒的な資金力と海外での豊富な知見を武器に、日本のエネルギー自給率向上に大きく寄与することが期待されています。
太陽光から風力へ!2022年末に向けた壮大なロードマップ
同社は2013年に日本市場へ参入して以来、太陽光発電の分野ですでに合計出力29万キロワットを誇る実績を積み上げてきました。今後は陸上風力発電を第二の柱に据え、2022年12月31日までに稼働済み発電所の合計出力を100万キロワットまで引き上げるという、極めて野心的な目標を掲げています。建設中の案件まで含めると、その規模は200万キロワットに達する見込みであり、業界の勢力図を塗り替える可能性があります。
特筆すべきは、今回着工する青森県と熊本県のプロジェクトです。これらは、事業が環境に与える影響を事前に調査・評価する「環境影響評価(アセスメント)」をすでに完了しており、合計出力は4万3500キロワットに上る計画となっています。さらに、将来を見据えて洋上風力発電の調査も進められており、日本の地形や気候を最大限に活用したエネルギーミックスの構築が着々と進んでいると言えるでしょう。
厳しい市場環境を打破する「垂直統合モデル」の強み
現在の日本の再生可能エネルギー市場は、決して楽観視できる状況ではありません。2012年に開始された「固定価格買い取り制度(FIT)」により太陽光発電は急速に普及しましたが、2019年度には大規模案件が競争入札制に移行するなど、買い取り価格の下落が続いています。かつて1キロワット時あたり40円だった価格も今や昔となり、効率的な運営ができない事業者は淘汰される厳しい局面に立たされているのです。
しかし、ヴィーナ・エナジーの日本代表であるホアン・マス・ヴァロー氏は、現状の入札制度下でも十分に利益を確保できると自信をのぞかせています。その根拠は、事業開発から施工、保守・運営までを自社で一貫して担う「垂直統合型」のビジネスモデルにあります。外部委託を最小限に抑えることでコスト競争力を高め、同時に高い品質管理を実現できる点は、競合他社に対する大きなアドバンテージとなるはずです。
私自身の視点としても、こうした海外勢による効率的な事業モデルの導入は、日本の再エネコストを国際水準まで下げる良い刺激になると考えています。適地が減少しつつあるメガソーラーに代わる選択肢として、風力発電が真の主力電源となるためには、同社のような「開発から運営までを一気通貫でこなすプロフェッショナル」の存在が不可欠です。2022年の目標達成に向けた同社の動向から、今後も目が離せません。
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