大学生の「本音」が大学選びを変える!文科省の 60 万人規模ネット調査で教育の 100 年改革へ

文部科学省が、大学教育の実態をより深く把握するために、大学 3 年生全員にあたるおよそ 60 万人を対象とした大規模なインターネット調査を 2020 年度にも開始する計画を進めていることが、 2019 年 6 月 17 日に明らかになりました。この「全国学生調査」は、学生がどれくらい勉強しているのか、そして受けている授業がどれほど役に立っていると感じているのか、といった「学生の生の声」を吸い上げることを目的としています。

特筆すべき点は、調査結果を大学名と学部名を公表した上で一覧表形式で公開する方針であることです。これにより、これまでブラックボックスになりがちだった大学教育の状況を、学生目線で「見える化」することが可能になると期待されています。この動きは、大学側には教育内容の改善を促し、政策立案の重要なデータとなるとともに、高校生にとっては大学を選ぶ際の貴重な判断材料を提供することになるでしょう。これはまさに、学生が大学教育を変える力を持つ、非常に画期的な取り組みだと私は考えます。

この調査は、国立教育政策研究所と共同で実施されます。これまでにも大学や研究機関による学生調査はありましたが、国が全国の全学生を対象とするのは史上初の試みとなります。まずは 2019 年 11 月から 12 月にかけて一部の大学で試行調査を行い、その結果を検証した上で、 2020 年度には全国の大学 3 年生( 6 年制の医学部などでは 4 年生)を対象に本格的に実施する見込みです。

学生は、大学を通じて案内されるQRコードを使って、スマートフォンやパソコンから調査サイトにアクセスし回答する流れになるようです。氏名などの個人情報は不要で、質問項目は 30 あまり、10 分程度で手軽に回答できる簡便な設計となっています。授業内容に関する問いでは、「教え方が理解しやすいよう工夫されていたか」や「グループワークや討論の機会があったか」といった項目について、「ほとんどなかった」から「よくあった」までの 4 段階で評価してもらう形式です。

また、 1 週間に授業、予習・復習、部活動、アルバイトなどにどれくらいの時間を費やしているかという学習時間の実態も尋ねる予定です。「論理的な文章を書く力」や「多様な人々と協働する力」、そして「専門分野の知識」など、社会で求められるジェネリックスキル(汎用的能力)が大学教育を通してどれだけ身に付いたかについても、 4 段階で評価してもらうことになっています。このような具体的な質問を通じて、大学生の「学ぶ実態」が浮き彫りになることでしょう。

この「全国学生調査」は、今後 3 年に 1 回程度の頻度で継続していくことが検討されているとのことで、大学教育の質の継続的な改善サイクルを生み出すことが期待されます。一方、大学側からは「調査結果が大学の格付けに使われたり、教育内容が画一化したりするのではないか」といった懸念の声も聞かれているようです。

これに対し、文部科学省は「この調査で把握できるのは、教育成果の一部であることを丁寧に説明していく」とし、「学生の視点から大学教育を変革するきっかけとなるため、ぜひ積極的に参加してほしい」と理解を求めています。今回の取り組みは、単なる学生調査にとどまらず、日本の高等教育全体のあり方を問い直し、進化させるための大きな一歩となることは間違いありません。将来の教育の質を高めるためにも、学生一人ひとりの声が極めて重要になるでしょう。

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