キッチン家電の国内大手として知られる象印マホービンが、2019年9月30日に最新の連結決算を発表しました。2018年12月1日から2019年8月31日までの期間において、最終的な儲けを示す純利益は前年同期に比べて19%減の30億円にとどまっています。この背景には、同社が注力してきた中国市場における景気減速の影が色濃く反映されているようです。
今回の決算で最も大きな打撃となったのは、中国国内での売上が前年比で約3割も落ち込み、70億円にまで縮小した点でしょう。特に、これまで贈答用などのプレミアムギフトとして人気を博していた高価格帯のステンレスボトルの需要が急激に冷え込んでいます。中国経済の先行きに対する不安感が、消費者の財布の紐を固く締める結果となったことは間違いありません。
SNS上では「象印のボトルは品質が良いだけに、中国での不振は意外だ」という驚きの声や、「景気の影響がダイレクトに出るものだな」といった冷静な分析が飛び交っています。一方で、日本国内に目を向ければ、高級炊飯器などの調理家電製品は非常に堅調な推移を見せています。美味しいごはんへのこだわりは、不透明な経済状況下でも揺るがない日本人の価値観を象徴しているかのようです。
ここで専門用語について少し触れておきましょう。連結決算とは、親会社だけでなく、子会社や関連会社を一つのグループとしてまとめて計算する仕組みを指します。一方、純利益とは、売上からすべての経費や税金を差し引いた、最終的に手元に残る利益のことです。今回の象印の結果は、国内の「食」を支える炊飯器の好調さをもってしても、海外市場のマイナスを補いきれなかった形と言えます。
編集部としての視点ですが、象印が直面している課題は一企業の不振というよりも、グローバル経済の変遷を如実に物語っていると感じます。特に「リビング製品」と呼ばれる魔法瓶などのカテゴリーが20%減の164億円まで落ち込んだ点は、消耗品ではない耐久財の難しさを示しています。今後は、単なる機能性だけでなく、新しいライフスタイルをいかに提案できるかが再起のカギを握るのではないでしょうか。
コメント