2019年06月17日、NECは企業が自前で構築できる通信ネットワーク、いわゆる「自営網」を整備するための画期的なシステムを発表いたしました。これは、私たちが日常的にスマートフォンなどで利用している携帯電話の通信規格である「LTE」を応用したものです。このシステムは、特に近年注目が高まっている「IoT」(Internet of Things:モノのインターネット)機器を、企業が独自に構築したネットワークに安全に接続し、データのやり取りを行う用途を想定して開発されました。
この新しいシステムは、2020年03月までに提供が開始される予定です。最大の特長は、顧客企業の拠点に設置する基地局を制御するためのソフトウェアを、米アマゾン・ドット・コムが提供する世界最大級のクラウドサービス「AWS」(アマゾン・ウェブ・サービス)のサーバー環境で稼働させる点にあります。この柔軟な仕組みこそが、従来の自営網構築における大きな課題を解決する鍵となっているのです。
なぜこの仕組みが画期的なのでしょうか。これまで、LTEをはじめとする携帯電話の基地局をコントロールするには、高価な専用の通信機器が必要となるケースがほとんどでした。この専用機器は、導入時だけでなく、その後の維持・管理にも多大なコストと手間がかかるため、通信事業者に比べて一般の企業が独自で導入するにはハードルが高いものでした。しかし、NECのこの新システムは、その常識を打ち破ります。
NECは、この高コストな専用通信機器の代わりに、制御機能をソフトウェア化し、AWSのクラウド上で動かすという方法を選択しました。これにより、企業は高価な専用機器を購入する必要がなくなり、システム構築にかかる初期費用を大幅に抑えることが可能になります。さらに、サーバー環境の管理自体をアマゾンに委ねられるため、専門知識を持つ人材が不足しがちな運用管理の手間も軽減できるという、二重のメリットが提供されるのです。これは、IoTの導入を検討している多くの企業にとって、非常に魅力的な提案と言えるでしょう。
この発表を受け、SNSでは「ついに来たか」「これは日本の産業界にとって大きな一歩だ」といった期待の声が多く見受けられました。特に、初期費用や運用コストの削減に直結するクラウド活用への賛同の声が目立ち、企業ネットワークの構築がより手軽になることへの注目度の高さがうかがえます。当初は現行の高速通信規格である「4G」(フォージー)に対応しますが、ソフトウェアの改修を行うだけで、さらに超高速・大容量、低遅延を実現する次世代通信規格「5G」(ファイブジー)への対応も可能となる見込みです。これは、企業の将来的な技術進化への投資を無駄にしない、極めて賢明な設計だと言えます。このNECの取り組みは、日本企業のデジタルトランスフォーメーションを力強く後押しする、重要なターニングポイントとなるでしょう。
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