家庭用ゲーム機の世界で圧倒的な存在感を放ってきたソニーが、次世代の主戦場である「クラウドゲーム」において、驚きの戦略を打ち出しました。グループ傘下のソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、2019年10月01日より、クラウド型ゲーム配信サービス「PS Now」の利用料金を大幅に改定し、これまでの約半額へと引き下げることを決定したのです。
この「クラウドゲーム」とは、高価な専用ハードウェアで計算処理を行うのではなく、インターネット上の強力なサーバー側でゲームを動かし、その映像を端末にストリーミング配信する仕組みを指します。ユーザーは手元のコントローラー操作を送信するだけで、まるで動画を観るような手軽さで最新のゲームを体験できるのが最大の特徴と言えるでしょう。
今回の価格改定により、日本国内での月額料金はこれまでの2,500円から1,180円へと一気に引き下げられます。また、2019年10月01日からは3カ月利用で2,980円、さらには年間契約となる12カ月プランを6,980円で新設するなど、長期利用を検討するファンにとって非常に魅力的な選択肢が用意されました。
巨大テック企業の参入と熾烈を極めるコンテンツ競争
ソニーがこれほど大胆な値下げに踏み切った背景には、米国の巨大IT企業による猛烈な追い上げがあります。2019年11月からはGoogleが月額9.99ドルのクラウドゲームサービス「Stadia」を開始する予定であり、Microsoftもまた、今秋から独自のクラウドサービスの試験運用をスタートさせるなど、業界の構図は「ハードの販売」から「定額制の配信」へと劇的に変化しています。
SNS上では、この電撃発表に対して「ついにソニーが本気を出した」「月額1,000円台なら加入の壁が低くなる」といった期待の声が上がる一方で、競合他社とのコンテンツの差別化を注視するシビアな意見も散見されます。もはや安さだけでは勝負が決まらない時代に突入しており、どのような魅力的なタイトルを揃えられるかが、生き残りの鍵を握るはずです。
こうしたニーズに応えるべく、ソニーは配信タイトルの拡充にも余念がありません。これまで提供していた「PlayStation 3」向けなどの旧作800タイトルに加え、2019年10月からは『ゴッド・オブ・ウォー』や『グランド・セフト・オートV』といった世界的なヒット作を期間限定で投入します。人気作品をラインナップに加えることで、新規ユーザーの獲得を狙う狙いがあるのでしょう。
個人的な見解としては、今回の値下げは単なる価格競争ではなく、ソニーが長年培ってきた「PlayStation」ブランドのプライドを懸けた防衛策だと感じます。ハードウェアの所有が必須ではなくなる未来において、過去の膨大な資産(アーカイブ)をいかに現代のユーザーへ届けるかという課題に対し、今回の決断は非常に強力な一手となるのではないでしょうか。
2014年にスタートしたPS Nowは、2019年03月末時点で会員数70万人を突破していますが、ソニーは2020年にはこれを100万人規模にまで引き上げる計画を立てています。クラウドの波が押し寄せる中、ゲームの巨人ソニーがどのようにプラットフォームを進化させていくのか、世界中のゲーマーがその動向を熱い視線で見守っています。
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