🍩**【はらドーナッツ】安心おやつ路線は不変!社長が語る「急がば回れ」の出店戦略と第2の創業**🍪

おからを主原料とした素朴な味わいで知られる「はらドーナッツ」(大阪市)が、将来的な店舗拡大を見据えて、現在、商品のラインナップ強化に注力していることが明らかになりました。関東や関西を中心に約20店舗を展開する同社は、定食店「まいどおおきに食堂」などを手掛ける株式会社フジオフードシステム(以下、フジオフード)の傘下にあります。両社のトップを兼任する藤尾政弘社長は、「出店数を増やすことを急ぐつもりはありません。まずは1年から3年ほどの期間で商品構成を見直し、その上で『第2の創業』を目指す考えです」と、堅実な戦略を語っています。

藤尾社長がフジオフードの代表として、はらドーナッツを買収したのは2016年のことです。はらドーナッツは2008年に神戸市で誕生し、防腐剤や保存料を一切使わない、モチモチとした食感の素朴な味わいが特長となっています。「健康に良いものを店内で手作りして提供する」というコンセプトは、「まいどおおきに食堂」が大切にする「ぬくもり」に通じるものがあり、さらにドーナツという誰もが親しみやすい商品であることから、ビジネスとしての可能性を感じたそうです。

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「ほんわか」ムードを守るための急拡大路線からの転換

買収当初は、2019年までに店舗数を50店へ増やすという方針が掲げられていました。しかし、新規出店を進める一方で、買収前のフランチャイズチェーン(FC)店の離脱も発生したため、結果的に店舗数は横ばいの状況となっています。この状況に対し藤尾社長は、「はらドーナッツの魅力は、かわいらしいデザインの店舗と、一般的なドーナツと比較してカロリーが約半分、脂質も約4分の1という、素朴でやさしい味わいの『ほんわか』した雰囲気にあると考えています」と、改めてブランドの価値を強調されています。このようなブランドを愛してくれるお客様に繰り返し来店してもらうためには、次々と出店しては撤退するといった急拡大の道はそぐわないと判断し、「急がば回れ」の発想へと戦略を転換されました。

この冷静な判断に、SNS上では「目先の利益よりもブランド価値を大切にする姿勢は応援したくなります」「安心できるおやつを、これからも変わらず提供してほしい」といった、好意的な反響が見受けられました。筆者も、一過性のブームに終わらず、地域に根差した「安心おやつ」として長く愛されるためには、目先の出店数に囚われず、品質やブランドイメージを維持・向上させる戦略こそが賢明だと考えます。

現在の取り組みとして、はらドーナッツでは「安心おやつ」というコンセプトを横展開できるような、相乗効果のある商品ラインナップを模索中です。おからを使ったドーナツでは、季節感を大切にした限定商品などがすでに投入されています。さらに、古代米を使用したホットドッグや、ハワイの揚げ菓子である「マラサダ」(酵母を使った生地を油で揚げ、砂糖をまぶしたおやつ)など、さまざまな試行錯誤が繰り返されているとのことです。藤尾社長は、この商品群の強化を通じて今後1年から3年程度で確かな手ごたえを掴み、それが本格的な出店拡大につながる「第2の創業」の基盤になる、と力強く述べられています。

安心感を求めて「下町」へ、セントラルキッチンは採用せず

出店する場所を選ぶ「立地戦略」についても、従来の考え方から変化が見られます。現在の店舗は、東京で言えば吉祥寺や自由が丘といった、若い女性が多い街が中心でした。しかし今後は、大きな繁華街ではなく「下町」に目を向ける方針です。これは、「安心おやつ」という位置づけをより深めるためであり、路地裏にあって近所のお母さんがお子さんのために買いに来てくれる、生活に溶け込んだ存在になることを目指しているからです。そのため、広い店舗面積は必須ではないと考えています。

また、店舗数を増やすために、工場で大量生産して各店舗へ配送する「セントラルキッチン方式」(食品を一括して調理・加工する大規模な調理施設)は採用しない考えです。はらドーナッツは「毎日店内で手作りしている体にやさしい食べ物」という立ち位置を守り続けており、セントラルキッチンでの大量生産は、この大切なコンセプトにそぐわないという理由からです。

将来的に目指す店舗数については、事業としての存在感を示すために「3ケタ」は必要だという目標を掲げていらっしゃいます。ただし、この目標も急激に達成するのではなく、路地裏などの適切な場所をしっかりと見極めながら、着実に増やしていく計画です。「はらドーナッツって、いつの間にか増えたよね」という流れに持っていきたい、という藤尾社長の言葉からは、ブランドへの深い愛情と、長期的な視野に立った堅実な経営哲学が感じられます。フジオフードは、1979年に前身を創業し、「まいどおおきに食堂」や「神楽食堂 串家物語」など、グループ全体で900店以上を運営する大手企業です。2018年12月期の連結決算では売上高361億円、純利益9億円を計上されており、その安定した基盤のもと、はらドーナッツはこれからも「安心おやつ」の地位を確固たるものにしていくことでしょう。

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