2019年4月1日から鳴り物入りでスタートした新たな在留資格「特定技能」制度ですが、運用開始から半年が経過した現在、その認定者数が想定を大きく下回る400人弱に留まっていることが判明しました。政府は初年度に最大約4万人の受け入れを見込んでいたため、この数字は目標のわずか1%程度という、極めて静かな滑り出しと言わざるを得ません。深刻な人手不足に悩む現場からは、即戦力となる外国人材への期待が高まっていただけに、この現状には戸惑いの声も広がっています。
そもそも「特定技能」とは、国内で人材を確保することが困難な14の産業分野において、一定の専門性や技能を持つ外国人に門戸を開くための資格です。これまでの「技能実習」が国際貢献や技術移転を目的としていたのに対し、こちらは明確に労働力不足の解消を目的としている点が大きな特徴でしょう。SNS上では「ようやく現場が回るようになる」と期待する意見がある一方で、「認定のハードルが高すぎるのではないか」といった、制度の複雑さを指摘する書き込みも散見されます。
認定が進まない背景と「日本人と同等の待遇」という壁
認定作業が遅滞している主な要因の一つとして、企業側に求められる「日本人と同等以上の報酬」という条件が挙げられます。これは外国人労働者の権利を守るための大切なルールですが、給与体系の整備に時間を要する中小企業にとっては、導入を躊躇させる一因となっているようです。さらに、送り出し国との二国間協定の締結が遅れていることも、スムーズな受け入れを阻む大きな障壁となっています。2019年10月4日現在、入管庁は中国やタイといった主要な送り出し国との覚書締結に向けた交渉を急ピッチで進めています。
私自身の視点から言わせていただければ、この「特定技能」は単なる人手不足の穴埋めではなく、日本社会が多文化共生へと舵を切るための大きなチャンスです。認定が進まない現状は、制度を急ぎすぎた結果、受け入れ側の体制が整っていないことを示唆しているのではないでしょうか。認定者数が想定を下回っている今だからこそ、運用の簡略化や情報の透明性を高めるための努力が不可欠です。2020年度以降、より多くの優秀な外国人が日本で活躍できる環境を整えることが、これからの日本経済の鍵を握ることでしょう。
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