【百貨店の未来形】 大丸心斎橋店が描く「次世代モデル」の全貌!訪日客も地元客も魅了する**「ギンザシックス」+食**の新戦略

老舗百貨店として知られる大丸心斎橋店が、86年ぶりとなる本館の建て替えを経て、2019年9月20日に再開業すると発表されました。このリニューアルは、J.フロントリテイリングが提唱する「次世代の百貨店モデル」の試金石として、大きな注目を集めています。同社は、従来の百貨店の枠を超えた新たなビジネスモデルを模索し、ネット時代へのアンチテーゼとして、「世界に通用する百貨店の進化形を示したい」と、山本良一社長は熱く語っておられます。

新しく生まれ変わる大丸心斎橋店本館は、売り場面積を旧店舗から約3割増の約4万平方メートルに拡張し、総額約370億円を投じる一大プロジェクトです。最大の特長は、複合商業施設「ギンザシックス(GINZA SIX)」の成功要素を取り入れながらも、百貨店としての機能を維持するという点でしょう。「百貨店をやめた」と称されるギンザシックスとは一線を画し、インバウンド(訪日外国人観光客)と国内市場、その両方をしっかりと見据えた戦略が練られています。

特に注目すべきは、地下2階から地下1階へと拡大される食品フロアです。現在の北館から倍増となるこの広大なフロアには、高級食材のトリュフ専門店や、ハウス食品のスパイスショップなど、関西初出店を含む約370店舗が出店します。さらに、イートインコーナーが充実し、各店舗で購入した商品をその場で楽しめる「フードホール」形式を導入。夜遅くまで食を楽しみたいというニーズに応え、飲食フロアは午後11時まで営業する予定で、会社帰りの地元客や観光を終えた訪日客の取り込みを目指しているのです。

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体験型消費を充実!「コト消費」で顧客を惹きつける戦略

近年、ネットショッピングの台頭により、百貨店での「モノ消費」(商品の購入)は伸び悩む傾向にあります。そこで大丸心斎橋店は、「コト消費」(体験やサービスへの消費)を重視した「体験型」の要素を大幅に充実させています。例えば、世界最大級のデザインイベントを運営するイタリア・ミラノの団体と協力し、10月にはデザイン作品などの展示イベントを店内で開催する計画です。これにより、文化的な感度が高い客層を呼び込みたいという狙いがあるのでしょう。

また、日本のポップカルチャーも重要な柱です。国内外で高い人気を誇る「ポケモン」関連の店舗や、精巧なフィギュアで知られる海洋堂(大阪府門真市)など、日本独自のコンテンツを紹介するショップにはカフェを併設する予定です。店内で過ごす時間そのものを楽しんでもらう仕掛けを増やすことで、買い物客が「ふらりと立ち寄れる」場所へと進化させ、関西の顧客やリピーターの訪日客の来店頻度を高めることが期待されています。

ファッションの売り場に関しても、従来の百貨店に見られる婦人服、紳士服といったカテゴリー別の陳列方法を刷新し、男女の商品を一緒に扱うスタイルを採用しています。これは、ブランドの世界観をより強く表現するための手法であり、ギンザシックスでも人気を博しているヨガウエアの「ルルレモン」など、感度の高い専門店ゾーンを設けているのも特徴です。山本社長が「心斎橋は世界のお客さんだけでなく、地元のお客さんも大事にする」と述べるとおり、ギンザシックスの洗練されたスタイルと、地域に根差した店舗構成を巧みに融合させています。

「心ブラ」復活の鍵を握るか?百貨店モデルの未来

日本百貨店協会によりますと、2018年の免税売上高は過去最高の3396億円を記録しましたが、今後は、転売目的の購入が減り、2020年の東京五輪や2025年の大阪万博後には鈍化する可能性も指摘されています。このような背景から、訪日客に頼り切るのではなく、地域住民に愛される店づくりが不可欠となるでしょう。

心斎橋という街は、かつて銀座の「銀ブラ」になぞらえ、「心ブラ」という言葉が流行したほど、関西の流行発信地として親しまれていました。しかし、近年はそのイメージがやや薄れつつあるのも事実です。今回のリニューアルでは、定期賃貸借の店舗を全体の6割に抑え、それ以外のフロア構成では地元色の強い店舗を配することで、地域との繋がりを重視する姿勢がうかがえます。

SNS上では、特に「食品フロアの拡大」や「夜11時までの営業」に対し、「仕事帰りに立ち寄れる」「デパ地下グルメを夜遅くまで楽しめるのは嬉しい」といった地元客からのポジティブな反響が多く見受けられます。一方で、「百貨店らしさが失われるのではないか」という懸念の声も一部にはあります。私見ですが、大丸心斎橋店の試みは、ネット時代に「あえてリアル店舗の価値を再定義する」という、日本の百貨店が生き残るための道筋を示すものだと強く感じています。この新生・大丸心斎橋店が、再び「心ブラ」の流行を呼び起こし、百貨店の新モデルとして成功を収めることができるのか、その動向から目が離せません。

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