2019年10月05日、東京都が投資の世界に新たな風を吹き込もうとしています。都はスパークス・アセット・マネジメントとタッグを組み、社会貢献型ファンドの創設を決定しました。この取り組みの核となるのが、今や世界的なキーワードとなった「ESG投資」です。これは、従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)という3つの要素を重視して投資先を選ぶ手法を指します。
現在、世界中でESG投資の規模は爆発的に拡大していますが、残念ながら日本はその潮流から一歩出遅れているのが現状です。小池百合子知事は2019年10月04日の記者会見において、「日本はまだ発展期にある」と冷静に分析しました。だからこそ、都が自ら旗振り役となってファンドを立ち上げ、国際水準の投資環境を整備しようとしているのです。このスピード感ある決断には、SNS上でも「自治体がここまで踏み込むのは心強い」と期待の声が上がっています。
運用報酬を社会へ還元する「東京モデル」の独自性
今回注目すべきは、単なる投資信託にとどまらないその仕組みでしょう。「東京版ESGファンド」の最大の特徴は、運営事業者が受け取る管理報酬の一部を、社会貢献性の高い事業へと寄付する点にあります。投資が直接的に社会を良くする仕組みは、非常に画期的だと言えるはずです。寄付先としては、障害者の自立支援などを担う「ソーシャルファーム(社会的企業)」が有力候補として検討されており、民間企業の自立を促す狙いも透けて見えます。
都の試算によれば、この寄付額は年間で数百万円から1,000万円程度に達する見込みです。私個人としては、この「投資が誰かの助けになる」という可視化された循環こそが、投資に馴染みの薄い層を惹きつける鍵になると確信しています。利益を追うだけでなく、誰かの笑顔に繋がる投資。これこそが、令和の時代に求められる「お金のあり方」ではないでしょうか。東京都が提示したこのモデルは、地方自治体の新たなロールモデルになる可能性を秘めています。
世界を魅了する「国際金融都市・東京」への布石
東京都は2017年に「国際金融都市・東京」構想を掲げ、これまでも環境債である「グリーンボンド」の発行など、先進的な取り組みを続けてきました。今回のファンド創設も、その壮大な戦略の一部なのです。小池知事は2019年10月下旬にニューヨークを訪問し、世界の投資家たちへ東京の魅力を直接アピールする予定となっています。海外勢から見れば、公的機関がESGに本腰を入れる姿勢は、投資先としての信頼感を高める絶好の材料になるでしょう。
専門用語で「グリーンファイナンス」と呼ばれる環境金融の普及は、地球規模の課題解決にも直結します。日本が「投資後進国」という汚名を返上し、世界から選ばれる都市へと進化するためには、こうした官民一体の挑戦が欠かせません。東京が単なる日本の首都としてではなく、世界をリードする金融拠点として輝く日は、そう遠くないのかもしれません。このファンドが、日本の投資文化を根底から変える大きな一歩になることを切に願っています。
コメント