コンビニエンスストア最大手、セブン-イレブン・ジャパンの永松文彦社長が2019年6月17日、日本経済新聞社のインタビューに応じました。深刻化する人手不足とそれに伴う人件費の高騰で、フランチャイズチェーン(FC)加盟店の経営環境が厳しさを増す中、社長は「過去の踏襲を打破するのが私の役割」だと力強く宣言されています。これは、長きにわたり業界を牽引してきたセブン-イレブンの、ビジネスモデルそのものに変革を起こすという強い決意の表れでしょう。
特に喫緊の課題となっている24時間営業問題については、同年3月から営業時間の短縮実験を導入しており、約40店のFC加盟店が参加している状況です。さらに、すでに約200店が短縮営業の実施を希望しているといいます。社長は、この3ヶ月間のテスト期間終了に伴い、検証をまもなく開始する予定だと述べました。深夜の作業体制や開店・閉店業務のあり方、そして売り上げ減少分をどう補い、利益を確保するかといった点が大きな論点となる見込みです。この実験結果は、コンビニ業界全体の働き方と経営の未来を左右する重要な一歩となるでしょう。
食品ロス対策の最前線!「nanaco」ポイント最大10%還元を視野
また、大きな注目を集めているのが、環境問題への配慮と加盟店支援を両立させる食品ロス削減策です。具体的には、販売期限が近づいた商品を購入した利用客に対し、セブン-イレブンが発行する電子マネー「nanaco(ナナコ)」のポイントを一定割合で付与し還元する取り組みを本部主導の販売促進策として検討中とのことです。食品ロスとは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品のことであり、SDGs(持続可能な開発目標)が叫ばれる現代において、世界的な課題の一つであります。
このポイント還元策は同年9月からの開始を目指して準備が進められており、以前行ったテストでは100円につき3ポイントや5ポイントの還元率で実施されました。社長は、さらにその上の還元率、例えば7ポイントや10ポイントといった水準も選択肢としてあり得ると述べており、まだ確定ではないものの、最大10%還元の可能性に言及しています。もし実現すれば、消費者は廃棄直前の商品をお得に購入できるため家計に優しく、加盟店は廃棄コストを削減できる、まさに一石二鳥の革新的な取り組みとなるでしょう。インターネット上では、既に「環境に優しいし、賢い買い物ができる」「ぜひ早く導入してほしい」といった期待の声が多数見受けられます。
本部のコスト削減と生産性向上で加盟店を力強く支援
公正取引委員会(公取委)が、24時間営業の見直し要請を本部が一方的に拒否した場合、「独占禁止法違反の可能性を排除できない」という見解を示したことに関して、社長は「営業時間の短縮は加盟店にテスト結果を見てもらった上で、最終的にオーナーの判断に委ねている」と説明し、公取委が示すケースには当たらないという認識を示されています。一方で、加盟店が本部に支払う「ロイヤルティー」と呼ばれる売上に応じた対価の引き下げについては「これまでやり続けてきたことをやり続ける」として、現時点では慎重な姿勢を示しました。
しかし、加盟店支援策として、本部自身のコストを削減し、その削減分を支援の原資に充てる考えを明らかにされています。具体的には、IT(情報技術)化による生産性の向上や、採用活動の効率化による人件費の抑制などを挙げています。単なるロイヤルティーの引き下げに頼るのではなく、全体的な運営の効率化とグループ力を活かした集客支援によって、1店舗あたりの損益分岐点を引き下げることが、今後、加盟店への最大の投資だと考えているのでしょう。このように、ビジネスモデルを時代に合わせて変革し、未来志向で対応していく姿勢は、業界のリーダーとして模範的であると考えられます。
社長は「1号店から45年が経過し、この間も変え続けてきた。今後もやはり変え続けていかなければならない」と改めて強調されています。コンビニエンスストアの店舗数が飽和しているという見方についても、「良い店を作り続けることで飽和はない」と否定的な見解を示しており、店舗数の多寡よりも質を高めることに注力する構えです。セブン-イレブンの「過去の踏襲を打破する」という挑戦は、FC加盟店、消費者、そして社会全体の持続可能性に貢献する、まさしく時代を画する転換点となるに違いありません。
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