2019年6月18日、政府は「2019年度版 少子化社会対策白書」を閣議決定しました。この白書は、日本の深刻な少子化の現状と、それに対する政府の対策、そして何よりも**「結婚」をめぐる国民の意識を浮き彫りにする重要な資料といえるでしょう。特に内閣府が2018年に実施した意識調査の結果からは、結婚を希望しながらも、なかなかその一歩を踏み出せない人々の本音が垣間見えます。
調査で「どのような状況になれば結婚に踏み切れるか」という質問に対し、回答者の実に42.4%が「経済的に余裕ができること」を挙げ、これが最も高い割合となりました。これは、単に恋愛感情だけではなく、「結婚」という生活基盤を築く上で、お金(経済的な安定)が最大の障壁になっているという厳しい現実を示唆しています。結婚後の住宅費用や子育てにかかる費用、将来への不安といった複合的な要素が、若者の背中を押すどころか、むしろ重荷になっている様子がうかがえますね。この結果は、SNS上でも「結局は金か…」といった諦めや、自身の経済状況への切実な悩みを吐露する声が多く見受けられ、大きな反響を呼びました。
「出会い」と「行動」の間に横たわる深い溝
経済的な問題に次いで、36.1%が「異性と知り合う機会があること」を結婚の条件として挙げました。昨今、働き方の多様化や地域社会の結びつきの変化などにより、自然な出会いの場が減少していることは、多くの人が感じていることでしょう。しかし、この調査で注目すべきは、結婚を希望しながらも実現していないと答えた人々の行動実態です。結婚できていない理由として「適当な相手に巡り合わない」が46.8%で最多だったにもかかわらず、その中の61.4%、つまり約6割の人が「特に何も行動を起こしていない」と回答しているのです。これは非常に示唆に富む結果だと思います。
「適当な相手」を待つ受け身の姿勢と、自ら行動を起こすことへのためらいが、結婚の機会を遠ざけているように見えます。白書では、特に男性のどの年代でも、女性と比べて行動を起こさない人の割合が高いことが指摘されています。これは、昔ながらの「男性からアプローチすべき」という慣習や、現代のライフスタイルにおける「恋愛力の低下」など、様々な要因が複雑に絡み合っているのでしょう。私見ですが、この「行動しない」という傾向は、結婚という人生の大きな決断に対する現代社会特有の「重圧」や「自信のなさ」の表れではないでしょうか。結婚への憧れはあっても、失敗や将来の負担を恐れて、最初の一歩が踏み出せない、という心理状態が透けて見えるようです。
今回の「少子化社会対策白書」は、日本の少子化対策が、単なる子育て支援だけでなく、「結婚」そのものを支える若者の雇用安定や経済基盤の強化**、そして心理的なサポートにまで踏み込む必要があることを強く示唆しています。政府は、このデータを重く受け止め、若者が希望を持って人生設計を描けるような、具体的な施策を早急に講じる必要があるでしょう。経済的な不安を解消し、出会いの機会を提供し、さらに「行動する勇気」を後押しするような、多角的なアプローチが求められているといえます。

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