2019年6月17日、ワシントンからの報道によると、マイク・ポンペオ米国務長官は、香港の「逃亡犯条例」改正案を巡る情勢について、同月下旬に日本の大阪で開催される「20カ国・地域首脳会議(G20サミット)」の場で、ドナルド・トランプ米大統領と中国の習近平国家主席による首脳会談における議題になるという見通しを表明しました。この発言は、世界経済の重要課題を話し合う国際会議の場に、香港の民主主義と人権に関わる問題が持ち込まれる可能性を強く示唆するもので、大きな注目を集めています。
ポンペオ長官は、アメリカのFOXニュースのインタビューに応じ、「大阪でトランプ大統領が習主席と会談する機会があり、この件が議題になると確信している」と断言しました。アメリカ側は米中首脳会談の実現を目指していますが、現時点では中国側から正式な開催の同意は得られていない状況です。それでも、ポンペオ長官が人権問題を議題にすると強調した背景には、トランプ大統領が「一貫して人権の熱心な擁護者である」という強い主張があるようです。
「逃亡犯条例」改正案とは、香港域内で刑事事件の容疑者となった人物を、香港が犯罪人引渡しの協定を結んでいない中国本土などへ引き渡すことを可能にするという内容でした。これは、中国本土の司法制度に香港の住民が晒されるリスクを生じさせるもので、香港の自由と高度な自治、すなわち「一国二制度」の根幹を揺るがしかねないと、市民や民主派から猛烈な反対運動が巻き起こっていたのです。
香港政府は市民の激しい抗議を受け、既に改正案の審議を「延期する」と発表しています。しかし、民主派の団体や多数の市民は、延期では不十分であり、「完全な撤回」と、政府トップである林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官の辞任を要求する姿勢を崩していません。この緊迫した事態に対し、ポンペオ長官は「私たちは香港で起きていることが、これからどうなっていくかを注視している」と述べ、林鄭行政長官による今後の対応を冷静に見守る意向を示しています。
SNSで飛び交う意見の波紋と編集者の見解
この香港情勢は、インターネット上のSNSでも非常に大きな反響を呼んでいます。特に、改正案に反対する香港市民のデモ活動の様子は、国境を越えて拡散され、その自由を求める声は多くの人々の共感を呼んでいるように見受けられます。しかし一方で、中国国内の一部では、デモ参加者が外部から資金提供を受けているといった真偽不明の情報もSNS上で広がり、香港の運動に対する冷ややかな見方が存在するのも事実でしょう。
中国の主要メディアは、この件について外交部の主張を中心とする報道に終始しており、デモ参加者の具体的な声や映像をほとんど伝えていないという指摘がなされています。多くの人が街を埋め尽くした大規模なデモの様子を伝えない報道姿勢は、国際的には「プロパガンダ」、つまり特定の思想や主張を広めるための宣伝活動であると厳しく批判されるべきだと考えられます。
私見を述べさせていただきますと、今回のポンペオ国務長官の発言は、香港の「人権」という普遍的な価値が国際政治の場で議論されることの重要性を明確に示していると思います。G20サミットのような国際会議は、経済や貿易のみならず、自由や民主主義といった価値観を共有する場としても機能するべきです。たとえ開催に難色を示されているとしても、世界最大級の経済大国であるアメリカがこの問題に踏み込む姿勢は、香港市民の自由と自治を守る上で、極めて大きな意味を持つと言えるでしょう。今後の米中首脳会談でのトランプ大統領の発言内容と、それに対する習主席の反応に世界中が固唾をのんで注目しています。
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