深刻な労働力不足に直面する現代のビジネスシーンにおいて、多くの中小企業が利益率を高めるための「生産性向上」に知恵を絞っています。生産性とは、投入した資源に対してどれだけの成果が得られたかを示す指標であり、これが向上すれば同じ時間でより多くの価値を生み出せるようになります。しかし、自社の努力だけではどうしても突破できない壁にぶつかることも少なくありません。そんな時、視点を外に向けて取引先や販売先と手を取り合うことが、現状を打破する大きなヒントになるでしょう。
SNSでは「下請けだから無理だと思っていたけれど、提案次第で状況が変わるかもしれない」といった、既存の取引関係を見直そうとする前向きな声が広がっています。2019年10月08日に公開された事例では、ある製造業のA社がまさにこの壁を乗り越えました。同社が製造工程を精査したところ、本来のスペックを発揮できていない機械が見つかったのです。調査を進めると、販売先の細かな要望に応えるために、あえて機械の稼働スピードを落として運用していたことが判明しました。
技術力という武器で「過剰品質」の壁を打ち破る
A社は社内で検討を重ね、製品の仕様をわずかに変更すれば機械のスピードアップが可能であるという結論に達しました。この提案を販売先へ伝えたところ、「加工がしやすくなるので助かる」という、予想外に好意的な回答が得られたのです。このように、良かれと思って維持していた「過剰品質(必要以上の品質を追求し、コストや手間が見合わなくなること)」を解消することで、結果として双方にメリットが生まれる理想的な生産性向上の形が実現しました。
商工中金などが2018年11月に実施した実態調査によれば、中小企業の約3分の2が、自社の技術水準は主力販売先と比較して「遜色ない」あるいは「上回っている」と自負しています。私自身の見解としても、現場の細かな改善点に気づけるのは、やはり高い技術を持つ中小企業側だと確信しています。販売先に対して受け身になるのではなく、プロの視点から「こうすればもっと効率が上がる」と提案する姿勢こそが、これからの時代を生き抜くために不可欠な要素と言えるでしょう。
調査結果を時系列で見ると、企業間の資本や人的な結びつきは年々希薄化している傾向にあります。関係が薄れると、いつの間にか無駄な検査工程が増えたり、慣習化された非効率なルールが放置されたりしがちです。だからこそ、日頃から販売先と緊密なコミュニケーションを築いておくことが重要になります。お互いの生産現場を理解し、 win-winの関係を目指す歩み寄りが、停滞していた生産性を再び加速させるエンジンの役割を果たしてくれるはずです。
コメント