2019年3月に行われたタイの総選挙(下院選)から約2ヶ月、水面下で続いていた政権樹立交渉が大きな節目を迎えました。2019年5月27日、51議席を獲得して第5党となった「タイの誇り党」が、軍政の流れを汲む「親軍勢力」が樹立を目指す「連立政権」への参加を公式に発表したのです。
「連立政権」とは、選挙で単独過半数を獲得できなかった場合に、複数の政党が協力して政治を行う体制のことです。今回のタイ総選挙は、2014年の軍事クーデター以降の実質的な軍政を支持する「親軍勢力」と、それに反対する勢力が激しく競い合いました。親軍勢力の中心である「国民国家の力党」(115議席)が、「タイの誇り党」本部に赴き、正式に参加を要請した形です。
「タイの誇り党」のアヌティン党首は「国のために一緒に働く」と受諾を表明しました。これにより、親軍勢力と連携する政党の合計議席数は198議席に達しました。タイの「下院」(国民の選挙で選ばれる議会、定数500)の過半数は251議席であり、政権樹立に向けて大きく前進したことになります。
このニュースに対し、SNSでは「選挙をしても結局、軍政が続くのか」「民政移管はどうなった?」といった、選挙結果が軍の影響力を覆せなかったことへの失望や懸念の声が上がっています。親軍勢力は現在、同じく連立を打診されている「民主党」の回答を待っている状況です。もし民主党も参加を受諾すれば、親軍勢力は下院過半数を確保し、軍政の政策を引き継ぐ新政権が発足することが決定的となります。