🔥アジア成長の中心地へ!ドゥテルテ大統領が語るフィリピンの未来と世界秩序の激変:米中摩擦、気候変動、南シナ海問題の行方

2019年6月18日の記事を再構成いたします。

2019年5月30日と31日の両日、日本経済新聞社が主催した第25回国際交流会議「アジアの未来」が開催されました。この会議は、安全保障や貿易といった国際的なテーマに加えて、アジア企業の動向にも焦点を当て、非上場ながら急成長を遂げるユニコーン企業(評価額が10億ドルを超える未上場企業)に関するパネル討論を実施。今後の持続的な成長戦略について、活発な議論が交わされたのです。とりわけ、5月31日にはフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が講演し、アジアが直面する重要な課題や、自国の経済・社会改革について踏み込んだ見解を示されました。

アジア地域は今、経済的な豊かさと国際社会での影響力の増大により、歴史的な転換点を迎えており、世界秩序の中心地へと変貌しつつあります。世界情勢が混乱しているように見えるのも、実はこの大きな構図の一部ではないでしょうか。21世紀の新たな現実に対応すべく新しい国際秩序が生まれる過程で、一時的な混乱は避けられないものと捉えるべきでしょう。

国際社会のパワーバランス、すなわち力の均衡の軸が西側から東側、つまりアジア地域へとシフトしたことで、アジアは大国がその力を競い合う舞台となり、それに伴うリスクも顕在化しています。ドゥテルテ大統領が特に懸念されているのが、米国と中国との間の貿易摩擦です。この摩擦は不確実性と国際的な緊張を高め、長期戦の様相を呈しており、結果として誰も得をしない状況を生み出しています。貿易や投資が減少し、世界経済全体を押し下げる要因となっている現状に、国際社会は真剣に向き合い、早急に打開策を見つけ出す必要がございます。

スポンサーリンク

世界が直面する複合的な変動要因:テロ、気候変動、南シナ海の緊迫

世界における変動要因としては、前述の米中摩擦のほかに、テロリズム、気候変動、そして国境を越える犯罪といった、従来とは異なる新たな安全保障上の問題が存在します。世界が一致団結して対応すべきこの時に、一国中心主義や保護主義、そして移民を排斥する傾向が強まっていることに、私は編集者として強い危機感を覚えます。

テロリズムのリスクは依然としてくすぶり続け、市民社会を脅かしています。テロリストや過激主義者が国際社会の分断を図ろうとするならば、私たちは国境という概念そのものを再考しなければならない局面に立たされていると言えるでしょう。また、世界が直面する課題の中でも、特に深刻なのが地球温暖化に起因する気候変動問題です。その影響は全ての国が平等に受けるわけではありません。

ドゥテルテ大統領は、フィリピンのような新興国や発展途上国は、地球温暖化を引き起こした責任が最も少ないにもかかわらず、海水面の上昇による海岸線の後退や島しょ国の消失、そして台風被害の甚大化といった最も大きな被害に苛まれていると指摘されました。この結果、貧困層がさらに困窮するという負の連鎖が生まれており、政府はインフラ開発などの優先課題に加え、この連鎖を断ち切るために限られた財源を振り向けざるを得ません。

フィリピンは、国際社会の合意に参加し気候変動問題と正面から向き合う姿勢を示されており、特にこの問題を引き起こした先進諸国が具体的な行動に移すことを強く望まれています。私も、環境負荷をかけてきた国々が、その責任を果たし、被害を受ける国々への支援を強化すべきだと強く主張したいと考えます。

南シナ海でも非常に高い緊張状態が続いています。フィリピンは中国の友人で、中国とASEAN(東南アジア諸国連合)との間の調整役を担う立場にあるとされています。しかし、中国が南シナ海の大半を自国の領土だと主張することは、果たして正しいことなのでしょうか。

ドゥテルテ大統領は、北京を訪れる機会があれば、習近平(シー・ジンピン)国家主席と直接対話したいという意向を示されました。南シナ海に関しては、紛争を未然に防ぐための明確な規範(ルール)が存在しないため、米国、英国、フランスなどが中国への牽制を続けており、一触即発の状況が放置されたままになっていると現状を危惧されています。

中国は強硬な姿勢を崩しておらず、米国との間では主張の言い合いで終わってしまっている状況です。国際法に基づき、閣僚レベルで真摯な対話を行えば、緊張の緩和につながるかもしれません。フィリピン国内には、領有権争いで獲得した仲裁判決(2016年にオランダのハーグにある常設仲裁裁判所が出した判決)の受け入れを中国に求めるべきだと主張する議員もいます。しかし、中国はすでに南シナ海の大部分を実効支配しており、フィリピンには他の国と戦争をするような余裕はございません。

大統領は、自国の海軍装備はわずか1、2度の爆撃で壊滅してしまう程度の脆弱さであり、軍備よりも、いまだ不十分な食料、教育、医療といった国民生活に直結する分野にこそ財源を投入したいという現実的な考えを表明されています。この発言は、フィリピンが置かれた安全保障上の困難な立場と、国内の発展を最優先する強い意志を反映していると言えるでしょう。

フィリピンの「インフラ黄金時代」と「法と秩序」の追求

フィリピン政府の大きな目標は、経済成長を維持し、高位中所得国の仲間入りを果たすことです。この目標達成のため、ドゥテルテ政権は貧困層を支えるための高等教育の無償化や、国民皆保険に関する法律を制定し、人々が尊厳のある生活を送るための社会的な安全網の整備に尽力されています。

大統領は「法と秩序」の実現を公約に掲げて就任されました。国民が日本人のように法律を守り、社会に害を及ぼす行動をとらない社会を目指されており、若者たちが健全に成長し、違法薬物の犯罪組織を根絶するために、大規模な薬物犯罪の捜査と摘発を徹底して展開されています。この政策は民主主義の考えと法の支配に則って行われているものであり、今後も手を緩めるつもりはないと強調されています。

また、ドゥテルテ大統領の故郷であるフィリピン南部のミンダナオ島では、大きな進展が見られました。イスラム教徒が中心となる自治政府の樹立を認める「バンサモロ基本法」が発効し、長年にわたる武装組織との紛争に終止符を打つ大きな一歩となりました。2017年に武装蜂起したテロリストとの戦いにも勝利し、一時占拠されたマラウイ市を解放。現在は、日本を含む各国からの支援とフィリピンの予算を投じて復興作業が進められており、地域の発展の可能性が大きく広がっています。

フィリピンでは現在、「ビルド・ビルド・ビルド(造れ、造れ、造れ)」というスローガンのもと、大規模なインフラ整備計画が推進されており、国内総生産(GDP)に占めるインフラ向け支出の比率を5%にまで高める方針が打ち出されています。まさに「インフラ黄金時代」が到来しようとしています。

ドゥテルテ大統領は、日本がフィリピンの受け手の側に立った支援をしてくれていることを高く評価されており、長年にわたる相互の尊重と理解を通じて、両国の友好関係が深まっていることの証であると感謝の意を述べられました。フィリピンは、自国への投資を必要としており、日本からでも中国からでも歓迎する姿勢です。

投資をするにあたって、賄賂を要求されるのではないかと懸念する声があるかもしれませんが、ドゥテルテ大統領は「そういう連中は一掃した」と断言。ビジネスを行う上でフィリピンは、十分に安全な国であると強く訴えられています。2016年から現職の大統領は、イスラム過激派との和平を進展させ、経済成長を支える交通インフラの整備などに注力し、国民からの支持率は7割を超える高い水準を維持されています。この高い支持率は、彼のリーダーシップと改革への期待の表れでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました