2018年に発生した西日本豪雨という未曾有の災害は、私たちの心に深い爪痕を残しました。その時の痛切な教訓を未来への希望に変えるべく、県立広島大学が大きな一歩を踏み出しています。大学側は大手損害保険会社のあいおいニッセイ同和損害保険と手を組み、大規模な自然災害が懸念される際、高齢者の方々が迷わず安全な場所へ移動できるようサポートする「避難保険」の共同開発をスタートさせました。
このプロジェクトが目指すのは、2020年中の商品化というスピーディーな展開です。SNS上でもこのニュースは注目を集めており、「避難のハードルが下がるのは画期的」「タクシーが迎えに来てくれるなら、足の悪い祖父母も安心できる」といった期待の声が数多く寄せられています。単なる見守りではなく、実効性のある「移動の足」を確保しようとする試みに、多くの人々が関心を寄せているのは間違いありません。
移動と介助をセットで提供!「逃げ遅れ」をゼロにする新ジャンルの誕生
今回開発が進められている「避難保険」とは、具体的にどのような仕組みなのでしょうか。想定されているモデルでは、まず保険会社が地域の企業と契約を結びます。災害の危険が高まった際に、地域住民がタクシーによる送迎や、避難所での適切な介助サービスを受けられるように手配されるのが特徴です。企業側は、こうした避難支援にかかる実費を保険金によって補填する仕組みとなっており、持続可能な地域貢献を可能にします。
ここで鍵となる「介助サービス」とは、自力で動くことが困難な高齢者や障害を持つ方に対し、専門知識を持ったスタッフが移動や生活の補助を行うことを指します。避難所での生活は心身ともに負担が大きいため、プロの助けがあることは非常に心強いはずです。広島という地から、これまでの日本には存在しなかった全く新しい保険のジャンルが誕生しようとしている瞬間に、私たちは立ち会っていると言えるでしょう。
2019年10月01日からは、具体的なサービス設計に向けたヒアリング調査が既に開始されています。さらに、2020年にかけては実際に高齢者の自宅へタクシーを派遣する社会実験も計画されており、実用化に向けた準備は着実に整いつつあります。編集者である私の視点からも、行政だけに頼るのではなく、民間企業や大学が連携して「逃げ遅れ」という悲劇を未然に防ぐこのシステムは、これからの超高齢社会における防災の最適解になると確信しています。
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