2019年10月09日、北海道議会の新庁舎建設をめぐり、時代に逆行するかのような決定が下され大きな波紋を広げています。最大会派である自民党・道民会議は、2020年01月に完成を控えた新庁舎の会派控室に、あえて喫煙所を設置する方針を固めました。他会派が一貫して反対姿勢を崩さない中で、この判断は「議会の私物化」とも取られかねない異例の事態へと発展しています。
自民党・道民会議の佐々木俊雄議員会長は、今回の決断について「現在喫煙している方に即座に禁煙を強いるのは困難である」と釈明しました。しかし、2020年の東京五輪・パラリンピック開催を前に、競技会場の敷地内を完全禁煙とするクリーンな環境づくりが世界的な潮流となっています。このグローバルな流れから大きく取り残された対応に、自民会派の内部からも困惑の声が漏れ聞こえるほどです。
医師会も「あしき前例」と警鐘!SNSでも疑問の声が続出
専門家の視点からも、この決定には厳しいメスが入っています。北海道医師会の長瀬清会長は、公的な場所での喫煙環境維持を「あしき前例になる」と強く断じました。医学的知見から見れば、受動喫煙による健康被害は無視できないリスクであり、道民の健康を守るべき立場にある議会が、自らの嗜好を優先する姿勢は極めて不自然に映るのではないでしょうか。
さらに、この喫煙所の設置費用について、日本たばこ産業(JT)からの寄付を受けるとしている点も議論の的となっています。SNS上では「公的な庁舎に特定企業の寄付で喫煙所を作るのは癒着ではないか」「道民の税金で運営される場所として相応しくない」といった批判が相次ぎました。いわゆる「忖度」や不透明な資金背景を疑う声が、ネット上でも爆発的に広がっている状況です。
今回の騒動で焦点となっている「分煙」とは、本来、非喫煙者の健康を保護するために空間を物理的に仕切ることを指します。しかし、現代社会ではもはや分煙ではなく、公共施設における「完全禁煙」がスタンダードです。多数決という「数の論理」で押し切ろうとする自民会派の姿勢は、今の時代、道民の理解を得るにはあまりに独りよがりな判断と言わざるを得ません。
編集者の視点から申し上げれば、議員の方々にはまず「道民の代表」としての自覚を問い直していただきたいと感じます。議会の時間は限られており、たばこを我慢できないほどの依存を優先する姿は、決して美しいものではありません。2020年という節目を前に、北海道がクリーンで先進的な自治体として歩めるのか、その品格が今まさに試されているのです。
コメント