2019年10月11日、千葉市の幕張メッセで開催中のアジア最大級のIT・エレクトロニクス総合展「CEATEC 2019」が大きな盛り上がりを見せています。今年の大きな目玉として注目を集めているのが、未来社会を具現化した企画展「Society 5.0 TOWN」です。これは、サイバー空間と現実世界を高度に融合させ、経済発展と社会的課題の解決を両立する「Society 5.0(ソサエティ5.0)」という日本が目指すべき未来の姿を、一つの街として再現した画期的な試みと言えるでしょう。
今回の展示において、とりわけ来場者の視線を釘付けにしているのが、今回が初出展となる大手ゼネコンの大林組です。同社は「2030年のまち」をテーマに、ビルを利用する人々の健康維持を最優先に考えた、驚きの建物管理システムを披露しました。SNS上でも「ついに建物が人をケアする時代が来るのか」「SFの世界がすぐそこまで来ている」といった驚嘆の声が相次いでおり、建設業界がデジタルトランスフォーメーションによって劇的な変化を遂げようとしている様子が手に取るように伝わってきます。
AIが個人の好みを瞬時に判断!Wellness BOXが描く究極の快適空間
大林組が展示の柱に据えているのが、次世代の居住体験を提供する「Wellness BOX(ウェルネスボックス)」です。このシステムは、建物内に張り巡らされた人感センサーや、利用者のデバイスから得られる位置情報などのビッグデータを、ネットワーク経由で「クラウド」と呼ばれる外部の高性能なコンピューター群に集約します。収集された膨大な情報をAI(人工知能)が解析することで、そこにいる一人ひとりの状態や好みに合わせた最適な室内環境をリアルタイムで創り出すことが可能になるのです。
例えば、暑がりの人と寒がりの人が同じフロアにいても、AIがそれぞれの好みを学習して空調や照明を個別に調整してくれる未来が想定されています。これまでのビル管理は「箱」を維持することが主眼でしたが、これからは「人間」を中心に据えたパーソナライズ化が加速するでしょう。私自身の見解としても、働き方改革が叫ばれる現代において、オフィスビル自体が能動的にワーカーの健康をサポートする仕組みは、企業の生産性を向上させるための不可欠なインフラになると確信しています。
建設会社が単なる構造物の造り手ではなく、人々のウェルビーイング(心身ともに満たされた状態)を守るパートナーへと進化を遂げる姿は、非常に心強いものです。大林組が見せたこのビジョンは、2030年というそう遠くない未来において、私たちの生活の質を劇的に引き上げる原動力となるに違いありません。技術の進歩がもたらす「誰もが心地よく過ごせる街」の実現に向けて、今後のさらなる実用化への期待が止まらない素晴らしい展示内容となっています。
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