日本銀行の高松、松山、高知の3支店と徳島事務所は、2019年10月11日に四国4県の最新の金融経済概況を公表しました。今回の発表では、海外経済の減速という向かい風を受けつつも、地域経済の屋台骨である個人消費が底堅く推移していることが浮き彫りとなっています。高松、松山、高知の各支店は景気判断を「回復している」とし、徳島事務所も「回復を続けている」との見解を据え置きました。
SNS上では「増税前の駆け込み需要を実感する」といった声が目立つ一方で、製造業に携わるユーザーからは「海外向けの受注が落ちている」というリアルな不安も吐露されています。このように、生活実感としての消費の盛り上がりと、産業の現場から漂う不透明感が共存しているのが現在の四国経済の特徴と言えるでしょう。専門用語としての「景気判断の据え置き」とは、前回の調査と比較して経済の状況に大きな変化がないと判断されることを指します。
製造業に忍び寄る世界経済減速の影響
堅調な消費の一方で、製造現場には影が差し始めています。特に愛媛県では、中国や欧州での自動車販売の落ち込みが直撃し、関連部品の生産調整が続いています。「操業度の引き下げ」とは、工場の設備を稼働させる割合を減らすことで、生産量を抑制することを意味します。また、香川県においても2016年06月以来、約3年3カ月ぶりに生産の判断が「横ばい圏内」へと下方修正されました。
香川の苦戦は、スマートフォンや液晶テレビ向けのプラスチック製品、自動車部品といった主力分野で動きが鈍くなっていることが要因です。私自身の見解としては、四国の製造業は非常に高い技術力を持ちながらも、それゆえに世界のマーケット動向に敏感に左右されてしまう脆さを抱えていると感じます。今は地元の製造拠点をいかに支え、雇用の安定を守るかが行政や金融機関の大きな課題となるはずです。
消費税増税に伴う「駆け込み需要」の明暗
2019年10月の消費税率引き上げを前に、四国全域で消費の熱気が高まりました。愛媛では時計や高級バッグといった高額商品に加え、紙おむつなどの日用品を買い溜めする動きが顕著に見られたようです。高知支店の奥野聡雄支店長は、前回の増税時と比較して規模は小さいものの、着実な駆け込み需要があったと分析しています。日常的に使うものが少しでも安いうちに、という切実な消費者心理が数字に表れた格好です。
一方で、香川では天候不順の影響も重なり、手放しでは喜べない複雑な消費動向となっています。編集者として思うのは、増税直前の盛り上がりはあくまで「前借り」の需要に過ぎないという点です。2019年10月01日以降の反動減をいかに最小限に抑え、持続的な経済循環を作れるかが本当の正念場でしょう。四国の魅力ある産品を域外へ発信するなど、消費を冷え込ませないための次なる一手に期待したいところです。
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