【がん治療の未来】アステラス製薬の抗体薬物複合体(ADC)「エンホルツマブ ベドチン」が難治性尿路上皮がんで驚異的な腫瘍縮小効果を示す:ASCOで世界が注目

アステラス製薬が、米国のシアトルジェネティクス社と共同で開発を進めている新薬について、非常に注目すべき臨床試験のデータが、2019年6月18日に公表されました。これは「エンホルツマブ ベドチン」という、抗体薬物複合体(ADC)に分類される革新的な薬剤なのです。ADCとは、がん細胞を狙い撃ちする「抗体」と、強力な「薬物」を結びつけた、いわば“ミサイル”のような仕組みを持つ薬剤だと理解していただけるでしょう。この新薬は、局所的に進行してしまったり、他の臓器へ転移してしまった尿路上皮がんの患者さんを対象とした第2相試験において、非常に良好な腫瘍縮小効果を示したと報告されています。

特に今回の発表では、これまで標準治療を受けても効果が得られにくかった患者群、具体的には、プラチナ製剤と呼ばれる化学療法と、免疫チェックポイント阻害剤(PD-1またはPD-L1阻害剤)による治療を経験した方々の結果が注目を集めています。進行性の尿路上皮がんの患者さんのうち、約8割は、現在の標準治療である免疫チェックポイント阻害剤が効きにくいとされており、まさに新たな治療の選択肢が渇望されている状況です。エンホルツマブ ベドチンによる治療を受けたこの難しい患者群において、腫瘍が縮小した割合を示す全奏功率は44%という高い数値を示したのです。さらに、腫瘍が完全に消失した状態を指す完全奏功も15例で認められたという驚くべき結果でした。

この画期的な臨床試験の結果は、米国シカゴで開催された**米国臨床腫瘍学会(ASCO)**という、世界最大級のがん治療に関する国際的な学会で発表されました。ASCOでの発表は、その内容が世界の医療関係者や研究者から大きな関心を寄せられることを意味しています。今回のデータは、難治性がんの分野に一石を投じるものとして、学会関係者の間で大きな話題となったのは間違いありません。また、この研究結果は、今後さらに専門的な医学専門誌に論文として掲載されるべく、現在提出手続きが進められている段階にあるとのことです。

このニュースが報じられると、SNS上でも大きな反響がありました。「免疫療法が効かない患者にも希望の光が見えてきた」「ADCの進化がすごい」「難治性のがん治療が大きく変わるかもしれない」といった期待の声が多く聞かれました。特に、従来の治療法では手の施しようがなかった患者さんや、そのご家族にとって、この新しいデータはまさに朗報と受け止められたようです。エンホルツマブ ベドチンは、2019年後半には米国食品医薬品局(FDA)に対し、生物学的製剤承認申請を行うことが予定されており、この新薬が承認されれば、アンメット・メディカル・ニーズの高い尿路上皮がんの治療に、新しい時代が到来すると期待されます。

編集者として、私はこの開発のニュースを非常にポジティブに捉えています。特に、がん細胞の特定の目印(ネクチン-4など)を捉えてピンポイントで薬剤を送り込むADCという技術は、副作用を抑えつつ高い治療効果を発揮する「がん治療の未来」を象徴していると言えるでしょう。エンホルツマブ ベドチンが、尿路上皮がんという厳しい疾患に立ち向かう多くの患者さんの希望となることを心から願っており、今後の承認動向を注視してまいりたいと考えています。

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