酪農大国・北海道に一極集中!国内「生乳生産」4年ぶり増産の裏側とSNSの反響を徹底解剖

牛乳やバター、チーズといった乳製品の原料となる生乳の生産をめぐり、日本の酪農構造が大きな転換期を迎えています。2019年度の生乳需給見通しによりますと、酪農専門団体であるJミルクの予測では、北海道の年間生乳生産量が史上初めて400万トンの大台を超え、406万トンに達する見込みです。これは前年度に比べて2%の増加であり、日本の生乳生産全体に占める北海道の割合は55%と、過半数を大きく上回る水準になります。まさに北海道が国内酪農の牽引役として、その存在感を一層強めていることが伺えます。

この北海道での生産量増加の背景には、持続的な「大規模化」の波があります。広大な土地を活かした北海道の酪農は、60頭以上の牛を飼育する農家が全体の半数近くを占めるほどです。2018年時点で酪農家の数は2%減少しているにもかかわらず、飼育されている乳牛の頭数は逆に2%増加しており、経営規模の拡大が着実に進んでいることが分かります。特に十勝地方では、2018年9月に発生した北海道胆振東部地震による大規模停電という困難を乗り越え、前年度比3%増の118万トンを記録し、8年連続で過去最高を更新しています。これは単に頭数を増やしただけでなく、飼育環境の改善によって、1頭当たりの乳を搾る量が増えていることも大きな要因でしょう。

一方で、北海道以外の都府県では、生乳の生産減少に歯止めがかからない状況です。全国の生乳生産は734万トンと前年度比1%増で4年ぶりの増産となる見通しですが、これはひとえに北海道の増産分が全体を底上げしている構図に他なりません。北海道以外の地域では、前年度比で1%の減産が見込まれており、酪農家と乳牛の飼育頭数の減少が同時に進行しています。土地が限られる本州以南では、40頭以下の小規模な生産者が7割を占めており、規模の経済が働きにくいため、生産コストが割高になってしまう傾向があるのです。さらに、酪農は休みが少ない厳しい労働環境にあることも、家業の廃業や規模縮小が相次ぐ要因と考えられます。

こうした構造的な変化の結果、北海道産生乳の「移出」(道外への出荷)が急増しています。これまで、生乳は首都圏など大消費地に近い地域から飲用牛乳として優先的に供給され、保存がきく北海道産はバターや脱脂粉乳といった「加工用」に主に使われるという「すみ分け」がありました。しかし、首都圏近郊での生乳生産が細り、飲用牛乳の需要を満たせなくなりつつあります。2019年度には、北海道から道外へ運び出される生乳の移出量は、前年度より6%増の52万トンと、16年ぶりに50万トンを上回る見込みです。

この増大する輸送需要に対応するため、ホクレン農業協同組合連合会は2019年4月から5月にかけて、釧路港と茨城県の日立港を結ぶ貨物船「ほくれん丸」と「第二ほくれん丸」の輸送能力を強化しました。具体的には、トレーラーの荷台部分である「シャシー」換算で、元の130台から160台へと輸送能力を約2割増強したのです。この動きは、日本の食卓に欠かせない生乳を安定的に供給するための、物流面での重要性が高まっていることを物語っています。

このニュースに対し、SNS上では様々な反響が見受けられました。「酪農家が減るのは寂しいけれど、大規模化で生産効率を上げるのは時代の流れかもしれませんね」「北海道の生産者の方々の努力に感謝!」「異常気象も相まって、本州の酪農は本当に大変そうです」といった、酪農家への労いや、生産者減少への懸念を示す声が多く投稿されています。特に「猛暑に弱い乳牛の体調管理や、台風による輸送途絶など、天候リスクへの対策が急務だ」という指摘には、多くのユーザーが共感していました。

私見ですが、生乳生産の北海道への依存が深まる現状は、日本の食料安全保障の観点から見て、非常に大きな課題であると考えられます。災害や疫病といったリスクが北海道一箇所に集中することの脆弱性は無視できません。北海道での増産努力は素晴らしいものの、都府県の小規模酪農を持続させるための、労働環境の改善や生産コストを補う新しい支援策、そして何より猛暑や台風といった気候変動に対応できる体制を、生産者と乳業会社が一体となって、早急に築き上げる必要があるでしょう。日本全国で質の高い生乳を安定供給し続けるためには、地域ごとの「適正規模」を見極め、それぞれの地域で酪農が存続できる仕組みを確立することが不可欠です。

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