医療機器の進化が、介護や在宅診療の風景を劇的に変えようとしています。富士フイルム株式会社は、2019年11月の発売を目指し、驚くほどコンパクトな超音波診断装置「iViz air(アイビズ エアー)」を開発したと公表しました。このデバイスは、単に小型なだけでなく、人工知能(AI)を活用して膀胱内の尿量を自動で算出する画期的な機能を備えています。
SNS上では「介護現場での排泄ケアが楽になりそう」「持ち運びができるエコーは往診の強い味方だ」といった期待の声が数多く寄せられています。超音波診断装置、いわゆる「エコー」は、超音波を体に当てて内部を画像化する装置のことですが、これまでは大型の装置が一般的でした。しかし、今作はポケットに入るサイズ感を実現しており、医療の機動力を飛躍的に高めるでしょう。
驚異の軽量化とAI解析が実現するストレスフリーな診療
「iViz air」の最大の特徴は、本体と「プローブ」と呼ばれる超音波受発信器を合わせても、わずか345グラムという驚きの軽さにあります。スマートフォンに近い形状のモニターとプローブはWi-Fiで接続されるため、煩わしいケーブルに悩まされる心配もありません。電源を入れてから20秒という短時間で検査を開始できるスピード感は、一分一秒を争う現場において非常に心強い味方となります。
さらに注目すべきは、AIによる画像解析技術です。従来の装置では専門的な知識が必要だった尿量の推定を、AIがサポートすることで誰でも正確に把握できるようになります。これにより、適切なタイミングでの排泄誘導が可能となり、患者さんの自尊心を守りながら介護者の負担を軽減できるのです。233万画素の高精細な画像は、微細なノイズを抑える処理技術によって、臓器の境界線まで鮮明に映し出します。
富士フイルムは2018年10月16日にも、少ない放射線量で鮮明な撮影ができる携帯型X線装置を発売しており、在宅医療向けのラインナップを急速に強化しています。私個人の見解としては、こうした「技術の小型化」こそが、超高齢社会におけるQOL(生活の質)を支える鍵になると確信しています。病院へ行くのが困難な方々へ、高度な診断を届けるこの取り組みは、未来の医療のスタンダードになるはずです。