2019年6月16日未明に大阪府吹田市で発生した交番警察官襲撃と拳銃強奪事件は、社会に大きな衝撃を与えました。この事件で逮捕された飯森裕次郎容疑者(33)は、事件の直前に虚偽の通報を行っていた疑いが浮上し、その手口から周到に計画された犯行だったのではないかという見方が強まっています。
大阪府警によりますと、事件が発生する直前の2019年6月16日午前5時30分ごろ、阪急千里線の関大前駅ホームにある公衆電話から、男の声で「家に帰ると室内が荒らされていた」という、いわゆる空き巣被害を装った110番通報がありました。この通報の際、飯森容疑者は、事件現場近くに住む実在の知人の名前を名乗り、交番にほど近い集合住宅の一室を被害場所として申告していた疑いが持たれています。これは、通報の信ぴょう性、つまり「本当に空き巣被害が起こったらしい」と警察官に信じさせるための巧妙な偽装工作であった可能性が高いでしょう。
この通報を受けて、被害に遭われた古瀬鈴之佑巡査(26)の上司にあたる警察官2名が先に現場へと出動しました。そして、遅れて交番を出た古瀬巡査が飯森容疑者に包丁で襲撃され、拳銃を強奪されたとみられています。虚偽の通報で交番の警察官を分散させ、手薄になった状況、すなわち襲撃しやすい環境を作り出したとするならば、これは非常に卑劣で計算し尽くされた手口と言わざるを得ません。捜査関係者への取材から、飯森容疑者が吹田市内の小中学校や高校に通い、かつて近隣に住んでいた経歴があることも明らかになっています。育った地域に対する土地勘を利用して犯行に及んだ疑いも強く、この一連の行動は計画的であったという見方を裏付けているのではないでしょうか。
飯森容疑者は逮捕時、強奪した拳銃を所持しており、この拳銃は1発が発射された痕跡が確認されているそうです。しかしながら、大阪府警の取り調べに対し、飯森容疑者は「私のやったことではありません」と容疑を否認しているという状況です。この否認の背景には、精神的な健康状態が関係している可能性もあります。府警によると、飯森容疑者は逮捕時に精神障害者保健福祉手帳を所持しており、「私の思うことは病気がひどくなったせい、周りの人がひどくなったせいだ」などとも供述していることが分かっています。
不可解な供述と世論の反応:計画性と精神状態の関連は?
飯森容疑者は、地元を離れた後、大学を卒業し、事件当時は都内のゴルフ練習場でアルバイトとして勤務していたとのことです。職場の関係者の話では、精神的に不安定な状態にあるとして、事件前に休みを取得していた事実もあるそうです。このような経歴や当時の状況を鑑みると、「計画的な犯行」と「精神的に不安定な状態」という二つの側面が混在しており、事件の動機や背景を解明することが極めて重要になってくるでしょう。
SNS上では、「虚偽の通報で警官を手薄にさせたなんて、あまりにも計画的すぎる」「知人の名前を使ったのは悪質だ」といった、飯森容疑者の手口に対する怒りの声が多数見受けられました。その一方で、「精神疾患を抱えていたのなら、その影響を考慮すべきではないか」という慎重な意見も一部にはありますが、多くのコメントが、職務に忠実な警察官を襲い、凶器である拳銃を強奪したという重大な犯罪行為に対する厳しい非難に集中しています。私の意見としても、いかなる理由があるにせよ、公権力を行使する警察官を襲撃し、市民の安全を脅かす拳銃を奪うという行為は、断じて許されるものではありません。事件の全容解明と、再発防止に向けた対策が急がれます。