日本の建設業界に、革命の足音が響いています。これまで海外勢の後塵を拝していた建設用3Dプリンターの分野において、大手ゼネコンの大林組が驚異的な新技術を発表しました。2019年08月、同社は2種類のセメント系材料を自在に組み合わせることで、複雑な構造物を一体成形する手法を確立したのです。
この技術の何が凄いのかと言えば、従来のような「型枠」や「鉄筋」を一切必要としない点にあります。一般的にコンクリートは圧縮に強い反面、引っ張る力には脆いという弱点がありますが、大林組は特殊な素材を使い分けることで、この物理的な壁を鮮やかに乗り越えてみせました。
国内最大級のシェル型ベンチが示す「一筆書き」からの解放
2019年09月04日、大林組の技術研究所では、全長約7メートルにも及ぶ巨大な「シェル型ベンチ」の制作過程が公開されました。かつては材料を出し続けなければならない「一筆書き」のような制約がありましたが、新型ノズルの開発によって吐出の切替が可能になり、設計の自由度が飛躍的に向上しています。
SNS上では「まるでお菓子のデコレーションのようだ」「ついに建築もプリントする時代か」といった驚きの声が広がっています。特殊モルタルで外殻を造り、その内部に超高強度繊維補強コンクリート「スリムクリート」を流し込む。このハイブリッド構造こそが、強度と美しさを両立させる鍵なのです。
専門用語として登場する「スリムクリート」とは、鋼繊維を混ぜることで鉄筋並みの引っ張り強度を持たせた高機能モルタルのことです。これを用いることで、構造を合理的な「中空(中身が空洞)」にすることができ、材料費を従来の約半分に抑えられるというから驚きを隠せません。
BIMとトポロジー最適化が描く近未来の住まい
設計プロセスもデジタル化の極致にあります。BIM(建築情報を3次元で管理するシステム)でモデルを作成し、構造上必要な部分だけに材料を配置する「トポロジー最適化」を実施。これにより、無駄を削ぎ落とした最も効率的で有機的なデザインが、自動的にプリンターへ送られる仕組みです。
大林組の幹部は、この技術がすでに中層住宅などの構造体にも応用可能であると自信を覗かせています。私個人としては、この技術こそが人手不足に悩む建設業界の救世主になると確信しています。職人の熟練技をデジタルで再現し、かつコストを抑えられる点は、まさに持続可能な開発の鑑と言えるでしょう。
今後は2年間の暴露試験を通じて耐久性を検証し、2021年頃を目途に実用化の道筋を立てる計画です。2019年10月16日現在、私たちが目撃しているのは、単なるベンチ作りではありません。重機と人海戦術が主役だった工事現場が、スマートな「自動製造工場」へと変貌を遂げる歴史的な転換点なのです。
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