広島県福山市を拠点とする福山大学が、養殖シロギスの魅力を広めるためにユニークなプロジェクトを始動させました。魚の味わいを数値で示す「美味しさの見える化」という試みは、消費者の興味を強く惹きつけています。SNS上でも「自分の味覚とデータを見比べるのは楽しそう」といった期待の声が寄せられており、食のエンターテインメントとして注目を浴びているようです。
このプロジェクトを牽引するのは、増養殖学の権威である有滝真人教授です。増養殖学とは、単に魚を育てるだけでなく、水産資源を効率的に増やし、管理する技術を研究する学問を指します。有滝教授は2015年から「廻鮮寿司しまなみ」を運営するアペックスインターナショナルと協力し、通常よりも一回り大きい25センチ級の「しまなみテッポウギス」の育成に励んできました。
レーダーチャートで一目で分かる!「美味しさタグ」の衝撃
2019年11月6日から8日までの3日間、福山市の「廻鮮寿司しまなみ曙店」にて、特別な「美味しさタグ」が付いたお寿司が提供される予定です。対象となるのは、注目のシロギスのほか、タイ、マグロ、ブリの計4魚種となります。大学の研究室で分析されたアミノ酸などの成分データと、学生50人による試食評価を組み合わせた多角的な指標が作成されました。
具体的には、甘みや苦み、舌触りといった9つの項目を5段階で評価し、それを正多角形のレーダーチャートに落とし込んでいます。数値化されたデータは、私たちの主観的な「美味しい」という感覚に客観的な根拠を与えてくれるでしょう。アペックスの大滝一登社長も、プロの判定とお客さま自身の味覚を照らし合わせる遊び心に、大きな期待を寄せています。
個人的な見解ですが、情報過多の現代において、こうした「数値による証明」はブランドの信頼性を築く強力な武器になると確信しています。特にシロギスは天ぷらのイメージが強い魚ですが、お刺身としてのポテンシャルをデータで示すことで、消費者の固定観念を鮮やかに覆せるのではないでしょうか。旬や調理法による変化を「見える化」する試みも、食文化の深化に繋がるはずです。
養殖の常識を変える「テッポウギス」の市場価値
シロギスの養殖は、実は非常に珍しい取り組みだと言われています。しかし、この魚には成長が早く、病気にも強いという、養殖ビジネスに適した優れた特性が備わっているのです。現在、尾道市にあるいけすでは約800尾が元気に泳いでおり、天然魚を凌ぐスピードで成長させる技術も既に確立されました。
市場での期待値も高く、通常のキスが1キログラムあたり1000円から2000円程度で取引されるのに対し、ブランド化したテッポウギスは3000円もの高値が見込まれています。有滝教授は、糸造りやあぶりといった多彩な調理法による「利きずし」のような楽しみ方も提案しており、魚を食べる喜びを多角的に演出していく構えです。
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