2019年10月19日、日本のエネルギー業界と自動車業界が手を取り合い、持続可能な未来に向けた画期的な一歩を踏み出しました。中国電力はマツダなどと協力し、電気自動車(EV)としての役割を終えたバッテリーを「蓄電池」として蘇らせる実証実験を2019年内に開始すると発表したのです。
このプロジェクトの核となるのは、マツダがリース販売を展開している小型車「デミオEV」から回収された8つのバッテリーです。車を走らせるパワーが低下した電池であっても、家庭や施設で電気を貯める用途であれば、その性能を十分に発揮できる点に着目した素晴らしいアイデアと言えるでしょう。
今回の実験で特に注目すべきキーワードが「仮想発電所(VPP)」です。これは英語の「Virtual Power Plant」の略称で、各地に点在する太陽光発電や蓄電池、電気温水器などをネットワークでつなぎ、あたかも一つの大きな発電所のように機能させる仕組みを指します。
中国電力は広島県東広島市にある研究所に、太陽光設備や温水器といったリソースを既に整備しています。ここに明電舎が2019年内に完成させる予定の電力変換装置を組み合わせ、研究所内での電力需給バランスを最適にコントロールするテストが進められる見通しです。
資源循環がもたらすエネルギー社会の新常識
SNS上では「中古バッテリーの有効活用はエコで合理的」「VPPが普及すれば停電時も安心できそう」といった期待の声が寄せられています。一方で「変換装置のコストや電池の寿命がどこまで持つのか気になる」といった、実用化に向けた鋭い視点での反応も見受けられました。
私自身の見解としては、この取り組みは単なるリサイクル以上の価値があると感じています。EVシフトが加速する中で避けて通れない「電池の廃棄問題」に対し、エネルギーインフラの一部として再定義する姿勢は、資源の少ない日本にとって極めて重要な戦略となるはずです。
分散した小さな電源を賢く一括制御する技術が確立されれば、天候に左右されやすい再生可能エネルギーの弱点も克服できるでしょう。2019年から始まるこの挑戦が、私たちの生活を支える次世代のスタンダードを作り上げる大きな転換点になることは間違いありません。
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